イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(7月3〜16日)の女子シングルス準々決勝。 世界ランキング87位、ノーシードのマグダレナ・リバリコバ(スロバキア)が、ウィンブルドンで素晴らしい進撃を実現している。 28歳のリバリコバ…

 イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(7月3〜16日)の女子シングルス準々決勝。

 世界ランキング87位、ノーシードのマグダレナ・リバリコバ(スロバキア)が、ウィンブルドンで素晴らしい進撃を実現している。

 28歳のリバリコバは火曜日に第24シードのココ・バンダウェイ(アメリカ)を6-3 6-3で下し、今季のグラスコートでの戦績を18勝1敗に向上させた。

「私は(2009年に)バーミンガムで優勝したことがあるの。今、私はITF(国際テニス連盟)のグラスコート大会で2タイトルを獲り、ノッティンガムでは準決勝に進出し、優秀な選手たちに勝った」と、「AEGONオープン・ノッティンガム」(WTAインターナショナル)と、いくつかの低いレベル(10万ドル)の大会「サービトン」「イルクリー」を指して、リバリコバは言った。

「ごく最近、サービトンでプレーしたの。あそこでのほうが今日の準々決勝よりも、ナーバスになっていたと思ったわ。今日、なぜ落ち着いていられたのかはわからない。もちろん、多少はナーバスだったけど、震えたりはしていなかった。ときどき本当に緊張し、硬くなってしまうことがあるけれど、この試合では、かなりポジティブな姿勢で戦うことができた」。

 リバリコバは、2008年に133位でベスト4入りしたジェン・ジー(中国)以来、もっともランキングの低いウィンブルドン準決勝進出者だ。彼女はこれ以前に、一度もグランドスラム大会の2週目まで勝ち残ったことはなく、オールイングランド・クラブ(ウィンブルドン)で準決勝に進んだ初のスロバキア人女性となった。

「言うまでもなく、私は小さな子供の頃から、ウィンブルドン準決勝に進むことを夢見ていた。すべてのプレーヤーが、こういったことが起こることを夢見ているものだと思うわ」とリバリコバは言った。

「ウィンブルドンは、私のお気に入りのグランドスラム大会なの。それは間違いないわ。それにグラスコートでプレーするのが好き。芝は私のお気に入りのサーフェスよ。私はグラスコートでのプレーを本当に楽しんでいるわ」

 リバリコバは次の準決勝で、第14シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)と対戦する。2016年全仏チャンピオンのムグルッサは、2年前のウィンブルドンでも決勝に進出していた。

 一方、リバリコバにとって、オールイングランド・クラブでの過去の経験は、あまり印象的なものではなかった。彼女は8度にわたって1回戦負けを喫し、2015年に一度だけ3回戦に進んだことがあっただけだった。それが、ほかのどのグランドスラム大会においても彼女の最高成績に等しかった。

 しかしながら今年、彼女は2回戦で第3シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)を下した。余談だが、プリスコバはそれにも関わらず、月曜日に発表されるのWTAランキングで1位に浮上することが決まっている。

「彼女(リバリコバ)は今現在、キャリア最高のテニスをプレーしていると思う」とバンダウェイは言った。「彼女は多くの大会で優勝したし、本当にいいプレーをしている」。

 リバリコバは左手首と右膝の手術を受けたあと、回復のための休みを余儀なくされ、2016年シーズンの後半を棒に振っていた。彼女は今年初めもまだ回復過程にあったため、全豪オープン出場も断念した。

「その全豪オープン前の1月のことだったわ。もしこれがうまくいかず、また手術を受けなければいけないとか、そういうことになったら、もはやそんな話は聞きたくない、と考えていた時期は...」とリバリコバは言った。「私はものすごくぴりぴりし、ナーバスになっていた」。

 おそらく火曜日の試合のときより、ナーバスだったことだろう。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「ウィンブルドン」でグランドスラム大会初のベスト4に勝ち進んだマグダレナ・リバリコバ(スロバキア)(撮影◎小山真司/テニスマガジン)