女子テニスのハンガリアン選手権(ハンガリー/ブダペスト、クレー、WTA250)は18日、シングルス1回戦が行われ、第2シードのザン・シュアイ(中国)はワイルドカード(主催者推薦)で出場した世界ランク548位のA・トートと対戦。しかし、第1…

女子テニスのハンガリアン選手権(ハンガリー/ブダペスト、クレー、WTA250)は18日、シングルス1回戦が行われ、第2シードのザン・シュアイ(中国)はワイルドカード(主催者推薦)で出場した世界ランク548位のA・トートと対戦。しかし、第1セット途中で観客からのブーイングによって試合続行不可能となり、棄権となった。世界ランク6位のO・ジャバー(チュニジア)は19日にSNSを更新し「これは受け入れられない」と批判した。
>>【動画】ザンが放ったショットはインかアウトか?<<
>>【動画】ザンが途中棄権を申請した場面、対戦相手はガッツポーズ<<
世界ランク45位のザンとトートはこの試合、互いに2度ずつブレークを奪い合いながら第1セット終盤へ突入。ゲームカウント5-5となった第11ゲームで事件は起きた。ザンは渾身のショットを放つがこれはアウトの判定に、ザンはすぐにインか判断を仰ぎ主審はコートに降りてマークを確認したがアウトの判定は覆らず。その後トートがマークを確認した際、足でクレーコートに付いたボールマークを消す仕草をした。
スーパーバイザーを仲介しボールマークの確認を求めていたザン陣営だったが、この行動に言葉を大きくし主審に抗議。しかし主張は認められず、最終的にザンは決定的なゲームを落として5-6と相手のサービング・フォー・ザ・セットを迎えることとなってしまった。
ベンチに戻り呼吸を整えていたザンだったが、抗議中から観客からブーイングが発生していた。トートがワイルドカードで出場した20歳の若手選手だったことも影響していると思われるが、この状況を受けてザンがパニック発作を起こしメディカルが到着。事態は一変し会場中が静かに見守る状況となったが、本人が試合続行不可能と判断し、トートと主審に握手を求め、棄権を申請した。
最後にザンは観客を指差しながら言葉を口にしコートを後にしている。
ザンは試合後にSNSを更新し「練習での努力はすべて間違っていた。なぜなら、よりラインに近いところに打ちたかったのに、ラインに触れていてもアウトだったから......。私を支えてくれたみんな、そして私の味方でいてくれた女の子たちが大好きだ」とコメント。
今回の判定、そしてその後の棄権やザンと握手をしたあとにトートがガッツポーズをしたことなどを含め現役選手からは多くの疑問があがっている。
前週のウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)で準優勝を果たしているジャバーはツイッターで「シュアイを全力でサポートします。これは受け入れられません」とコメントしたほか、世界ランク11位のD・カサトキナは「対戦相手のあのリアクションは何なんだ、信じられない。とても悪い審判に、とても悪いスポーツマンシップ」と批判している。