7月8日放送の「卓球ジャパン!」は、日本代表の前に立ちはだかる世界の強豪を一挙に紹介する「海外の注目選手スペシャル」。

ゲストは、Tリーグの新チーム「静岡ジェイド」で監督兼選手を務める森薗政崇氏。番組お馴染みの森薗に対してMC武井壮が「卓球ジャパン準レギュラー・兼選手・兼監督ですから間違いなく現役選手で最も長い肩書きを持った男」と言えば、森薗が「ここ(卓球ジャパン!)が僕を強くしたと言っても過言ではないです」と、最初から飛ばしまくる2人だった。

男子編で最初に紹介されたのはフランスのルブラン兄弟。兄のアレクシスは昨年8月に張本智和に勝ち、今年4月には樊振東(中国)にも勝っており、現在世界ランク16位の19歳。

一方の弟、フェリックスはヨーロッパでは極めて珍しいペンホルダーながら、先日、ヨーロッパ競技大会で史上最年少優勝した世界ランク17位の16歳。

ともに急激な成長を見せているが、2人の共通点はとにかくプレーが独創的なこと。

アレクシスのあまりにも独特なしゃがみ込みサーブに対してMC平野早矢香が「これ誰かに教えてもらったのか、何をお手本、何をイメージしてるんですかね」と戸惑えば、フェリックスの癖のあるフォアハンドのフォームに対して森薗が「日本だったら必ず直される」と語る。

「この兄弟をイメージして練習ができないんですよ」(森薗)

「クセしかない」(武井)

これで張本や樊振東に勝つのだから恐ろしすぎる相手と言えよう。

森薗が"激推し"の選手がドイツのチウ・ダン。世界最強のペンホルダーと言われ、昨年のヨーロッパ選手権で金メダルを獲得し、現在世界ランク14位だ。

実はチウ・ダンの父親は邱建新。Tリーグの木下マイスターの監督、水谷隼や石川佳純のプライベートコーチも務めた名コーチだ。

公私ともにその薫陶を受けただけあって「ものすごい知的な卓球をする」と森薗。その上、ペンホルダーならではの回転量で馬龍と互角に戦う様子が紹介された。

ジュニア時代から森薗とも懇意にしており、日本が大好きだというチウ・ダンだが、なじみが深い分だけ日本選手の卓球を知り尽くしており、手ごわい存在だ。

女子編で森薗が一番に挙げたのが世界ランク13位、プエルトリコのA.ディアス。男子のようなパワフルな両ハンドに加えワルドナーのような弾くバックハンドも印象的だ(平野)。

伊藤美誠との対戦では、スマッシュをロビングで何本も返し、最後に中陣から高い打点でのバックプッシュで伊藤のフォアストレートを抜き去るスーパープレー。パワーとセンスを兼ね備えた強敵だ。

エジプトのハナ・ゴーダも要注意だ。弱冠15歳ながら世界ランク32位とそれだけでも凄いが、12歳のときにアフリカ人選手として初の世界ランク1位(U-15)を獲得した天才少女。

張本美和との一戦では、まだ細い体の線からは考えられないバネのある動きで互角に打ち合った。近い将来確実に日本を脅かす選手だ。

最後の強敵として、森薗が「個人的な好みなんですけど」と前置きして韓国のシン・ユビンを挙げると、武井は「賛成!」となぜか右手を高々と挙手。明らかに他の選手たちとは違った推し方に爆笑する平野。「卓球ジャパン!」お馴染みの光景だ。

「見ていて嬉しくなる愛嬌がある選手」(森薗)だが、実力は本物。先日の世界卓球で、チョン・ジヒと組んだ女子ダブルスで、中国のエースダブルス、孫頴莎/王曼昱を3-0のストレートで破った。愛嬌どころの話ではない。

韓国にはこの2人の他に、日本選手がたびたび苦戦する中国からの帰化選手、チュ・チョンヒがいるため、団体戦はかなりの戦力であり手ごわいと平野。

まさに、ライバルは中国だけではない。

「卓球ジャパン!」BSテレ東で毎週土曜夜10時30分放送