井上(左)とフルトン(右)。ともに規格外の強さを誇る猛者は、リングでいかに戦うのか。(C)Getty Images 日本が生んだ“怪物”は新階級でも支配力を発揮できるのか。今月25日に東京・有明アリーナで行なわれるWBC&WBO世界…

井上(左)とフルトン(右)。ともに規格外の強さを誇る猛者は、リングでいかに戦うのか。(C)Getty Images

 日本が生んだ“怪物”は新階級でも支配力を発揮できるのか。今月25日に東京・有明アリーナで行なわれるWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者のスティーブン・フルトン(米国)とのタイトルマッチに挑む井上尚弥(大橋)の存在は世界的な話題だ。

 11日にフルトンがついに来日を果たし、試合に向けた緊張感は日増しに高まっている。そうしたなかで各国メディアやファンの間での喧騒も強まっており、とりわけチャレンジャーである井上のパフォーマンスには熱視線が注がれている。

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 プロキャリア24戦無敗(21KO)という圧倒的な戦績だけを考えれば、「井上は勝てる」と言いたくなる。がしかし、対峙するフルトンもまた無敗(21戦8KO)。さらに彼は井上を8センチもリーチで上回っているため、身体的な差がもたらす影響も懸念が示されている。

 そうしたなかで、モンスター(井上の愛称)の戴冠を推す声は各国で根強く存在する。英ボクシング専門サイト『British Boxing News』は「偉大さを追い求め続け、バンタム級での栄光を置いてきた日本人チャレンジャーは、無敗のアメリカンチャンピオンに挑み、4階級制覇を目指している」と井上の挑戦を大々的に紹介した。

 まず、同サイトはキャリア初の国外戦での防衛に挑むフルトンを「信じられないほどとらえどころのないファイターだ。素晴らしいフットワーク、的確な距離感、流麗な上半身と頭の動き、素早いハンドリング、そしてリング上でのIQの高さ。反射のスピードとタイミングは最高の技術だ」と絶賛した。一方で昨年12月に母国戦士ポール・バトラー(英国)を沈めた井上の強さを「彼は他とは違う」と強調。そのうえで、30歳の日本人による「ラウンド中盤でTKOで勝つ」を予想した。

「二人が互角に打ち合う展開も予想できるが、どちらかの策がより大きな影響をもたらすと予想する。そのうえでイノウエはバンタム級から上がってきたばかりだが、87.5%という圧倒的なKO率を誇っている、まさに怪物だ。パワーに対する周囲の疑問に自然と答えを出すはずだ。

 イノウエはフルトンを倒すために時間を要するかもしれないが、彼は己をパワーで上回るビッグパンチャーとリングで戦うわけではない。ゆえにどんな嵐も乗り越え、フルトンの身体にハードな一撃を見舞うはずだ」

 はたして、この予想は的中するのか。いずれにしても、自ら「ここから先が本当の戦いになる」とするフルトン戦が井上の真価を問われる一戦になりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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