井上との対戦希望を公の場で公言してきたネリ。その想いは日々強まっているようだ(C)Getty Images メキシコの悪童は“舌好調”だ。現地7月7日、元ボクシング世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)は母国のポッドキャスト番…

井上との対戦希望を公の場で公言してきたネリ。その想いは日々強まっているようだ(C)Getty Images

 メキシコの悪童は“舌好調”だ。現地7月7日、元ボクシング世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)は母国のポッドキャスト番組「Zanfer Boxing」のインタビューで、スーパーバンタム級のライバルである井上尚弥(大橋)を再び挑発した。

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 今年2月にWBC世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦に臨み、アザト・ホバニシャン(アルメニア)との激闘を制したネリ。まさしく意気軒高と言った様子の28歳は、WBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)と井上によるタイトルマッチの勝者との対戦を熱望しており、とりわけ声価を高め続けている後者に興味津々なのである。

 以前から井上へは「あいつは俺と戦う必要がある」「体格的にフルトンには勝てないと思っているよ。イノウエは遥かに身体が小さいからな」と言いたい放題なネリ。そんなメキシコの悪童は「Zanfer Boxing」の取材でも、挑発的な言動はやめようとはしなかった。

 現地7月8日にフロイラン・サルダール(フィリピン)との対戦を控えているネリだが、「俺はもうフルトンとイノウエの勝った方を待つだけ」と余裕の見せながら、「とくにイノウエには勝ってほしいね」とコメント。よほど自信があるのだろう。さらに己の強さを示すかのように世界へ訴えかけている。

「俺はただ戦うために日本に戻るつもりはないし、できることならアメリカでやりたいと思っている。いずれにしてもイノウエには勝つし、あいつが王座にいるならそこを奪うつもりでいる」

 ちなみに同階級には今年4月にムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)を破り、WBAスーパーとIBFのベルトを奪ったマーロン・タパレス(フィリピン)も君臨する。しかし、ネリは「タパレスとの対戦のオファーはあったが断った。それもイノウエとやるためだ」と断言。「あいつとはフルトンとイノウエのどちらかとの勝負が決してからだ。俺はイノウエを愛している。だから勝ってほしいと思っているよ」とした。あくまで30歳の日本人スターとの対決が最優先事項なようだ。

 もっとも、対戦は実現しない可能性もある。というのも、ネリは2017年と18年にWBC世界バンタム級タイトルマッチで山中慎介氏と2度対戦し、ドーピング違反と体重超過が判明。日本ボクシングコミッション(JBC)から日本での活動停止処分が下され、事実上の永久追放となっており、処分が覆らない限り、井上陣営にメリットが少ないと考えられている。

 はたして、ネリの願望は叶えられるのか。いずれにしても、井上とフルトンの大一番の行方が大きな影響を与えるのは間違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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