バウアーの安定感あるピッチングは、DeNA投手陣の支えになっている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext…

 

バウアーの安定感あるピッチングは、DeNA投手陣の支えになっている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 

 7月6日、バウアーが9回128球2失点の熱投を見せ、DeNAはヤクルトに勝利。連敗を2で止めた。8回まで118球を投げ、9回は山崎康晃を投入するかと思われたが、8回裏に打順が回るとそのまま打席へ。その瞬間球場からはどよめきが起きたが、その声は次第に9回にマウンドに向かうバウアーを応援する拍手にかわる。そして、9回はフェンスギリギリの外野フライを打たれるも三者凡退に抑えてチームに勝利をもたらした。

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 見事な完投勝利の意味は大きい。DeNAは4日に守護神の山崎康晃が9回に勝ち越しタイムリーを打たれ、5日は延長12回まで戦って計8投手がマウンドに立っていたため、バウアーの完投はチームへの貢献度という意味でも大きなものだった。

 その貢献度は数字にも表れており、バウアーは6日の試合を終え、7試合連続でのQSを達成。5月下旬からのQS達成率は100%と驚異的な数字を残す。さらには2完投もリーグトップタイ。中継ぎ陣を休ませる、という先発投手として理想的な働きを見せている。さらには、QSの達成率を鑑みると、ブルペンがバタバタする心配もなく、中継ぎ投手としても調整がしやすい。いろいろな意味で中継ぎ陣にとってバウアーはありがたい存在と言える。

 さらには、中4~5日でローテーションを回っていることの価値も高い。DeNAはシーズン序盤は安定感を見せていた平良拳太郎やガゼルマンが調子を崩し、ローテーションの中心にいてほしかった濵口遥大も防御率8.10と本来の調子を出せていない。東克樹や今永昇太といった計算できる投手はいるにはいるが、先発投手の枚数が足りているとは言い難い。そのため、バウアーが中4~5日で投げて先発投手として1.5人分の働きをしているおかげで、ローテーションが回っている。

 バウアー自身が中4日で投げたがっていることに対して、他の先発投手に与える影響を懸念する声が開幕当初は少なくなかった。しかし、今では中4日で投げているため、DeNAが現在の順位に踏みとどまれている、という側面もある。予想以上の活躍を見せているバウアーの存在感は、日に日に増している。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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