今月11日、オリックスが京セラドーム大阪での日本ハム戦で若い女性にカリスマ的な人気を誇るインフルエンサーをプレ始球式に招くことになった。球団初の試みとなるイベントに招待されるのは歩乃華さん。美容に興味がある女子中高生を中心に、YouTube…

今月11日、オリックスが京セラドーム大阪での日本ハム戦で若い女性にカリスマ的な人気を誇るインフルエンサーをプレ始球式に招くことになった。球団初の試みとなるイベントに招待されるのは歩乃華さん。美容に興味がある女子中高生を中心に、YouTubeやツイッターなどで多くのフォロワーから人気を集める大阪府出身の23歳だ。

■オリックスが初の試み、インフルエンサーから見る野球人気拡大のカギは

 今月11日、オリックスが京セラドーム大阪での日本ハム戦で若い女性にカリスマ的な人気を誇るインフルエンサーをプレ始球式に招くことになった。球団初の試みとなるイベントに招待されるのは歩乃華さん。美容に興味がある女子中高生を中心に、YouTubeやツイッターなどで多くのフォロワーから人気を集める大阪府出身の23歳だ。

 近年、野球人気の低下が叫ばれている中、オリックスが新たなファン層を開拓すべく考え出した企画。招待された歩乃華さん自身は野球の現状をどう感じているのか――。野球は若い女性にとってどのような存在なのか、また、若い女性に野球への興味を持ってもらうにはどうしたらいいのか、話を聞いた。

「野球は日本でも世界でも代表的なスポーツだと思います」。歩乃華さんはそう認めた上で、「若い女性には野球をあまり知らない人、観戦に行ったことがない人は少なくないと思います」と率直な感想を漏らす。自身もあまり野球には詳しくないそうだ。

 理由はいたってシンプル。野球に接する機会が少ないからだという。

「野球が好きな人は球場に足を運びますが、それ以外の人はテレビでしか野球を見る機会がなく、地上波の放送も今はほとんどないため、野球を見ることも、野球の話題に触れる機会も少ないのでは」

 打開策の一つとして考えているのは、やはり自身が得意とするSNSの活用だ。若い女性に馴染みのあるインスタグラムやツイッター、YouTubeなどを利用して、野球を広めることが人気向上のきっかけとなると見ている。ただ、単に野球を伝えればいいかというとそうではない。より野球が身近に感じるよう工夫する必要があるという。

■トリプルスリーは「難しい」

「オリックスの選手を拝見したのですが、海田智行投手、小田裕也外野手などかっこいい選手が多いですよね。野球を知らない若い女性には、そういうところから興味を持ってもらうのがいいと思います。野球選手の私服とかを見る機会がないので、選手のプライベートをインスタグラムにアップしたり、素人の私から見ても『野球選手ってすごいな』と思えるような動画が見られたら、女性でも気軽に見るのではないでしょうか」

 扱う言葉も重要で、好例として挙げるのは「カープ女子」だ。男性のイメージが強いスポーツにおいて、少しでも女性目線の単語を増やすことがカギだと考えており、「オリックスも女性ファンのことを『オリ姫』といいますよね。女の子でも親しみやすくてわかりやすい言葉が増えてくれれば、若い女性の間でも野球が話題になるかもしれません」と話す。

 反面、近年は「トリプルスリー」や「神ってる」など、球界から流行語も出ているが、「『トリプルスリー』は、私たちの世代にとってはすごく難しい』」と歩乃華さん。よく耳にするからといって一般的に普及しているかといえばそうではなく、小難しい野球単語は聞き流されている可能性もある。女性や若い世代、ライト層にも響く言葉、わかりやすい言葉を併用していく必要がありそうだ。

「私にそこまで大きな力はありませんが、私を通して少しでも多くの女性が野球に興味を持ってくれたらいいなと思います」と、プレ始球式への意気込みを見せる歩乃華さん。自身が手掛けるバファローズ応援動画も、YouTubeの人気動画チャンネル「MelTV」で配信中だという。インフルエンサーによるプレ始球式がどのような広がりを見せるのか。イベント当日が注目される。(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)