第99回高校野球選手権大阪大会の1回戦が9日に行われ、興国が5-0で貝塚南を破った。エース・植田健人の快投で初戦を突破。立ち上がりから連続三振をマークするなど、7回1死までは無安打ピッチングを繰り広げた。■7回1死まで無安打ピッチング、古豪…

第99回高校野球選手権大阪大会の1回戦が9日に行われ、興国が5-0で貝塚南を破った。エース・植田健人の快投で初戦を突破。立ち上がりから連続三振をマークするなど、7回1死までは無安打ピッチングを繰り広げた。

■7回1死まで無安打ピッチング、古豪復活へ好スタート

 第99回高校野球選手権大阪大会の1回戦が9日に行われ、興国が5-0で貝塚南を破った。エース・植田健人の快投で初戦を突破。立ち上がりから連続三振をマークするなど、7回1死までは無安打ピッチングを繰り広げた。

 試合前から植田は捕手の橋本星哉と共にこんな言葉を掛け合っていた。

「今日はノーヒットノーランするで」

 豪語している訳ではない。自らを奮い立たせるために敢えて高い目標を口にし、自身を鼓舞する。これまでの試合でも行ってきたことだ。その言葉通り凡打の山を築き、春先から「ストレートの質の向上」をテーマに取り組んできた通り、キレのあるストレートで相手のバットが何度も空を切った。

 球の回転数を増やすために、指のかかりを工夫しながら投げ込みを敢行してきた成果だ。ヒットは打たれなくとも味方のエラーで走者を出す場面もあったが「ミスがあっても、それをカバーできないようでは上で通用しない」と再三のピンチも切り抜け、エースの意地を見せつけた。

 小学校時代も中学校時代もノーヒットノーランの経験はある。3月の練習試合でも東山(京都)を相手に5回まで完璧なピッチングを披露した。最後の夏のスタートで大記録達成とはいかなかったが「ピンチでしっかり三振を取れる投手が一番いい投手だと思うので、今後の試合でもそんなピッチングができるようにしたいです」と個人記録よりチームの勝利が最優先であることを強調した。復活をかける古豪の夏はまだ始まったばかりだ。(沢井史 / Fumi Sawai)