おしゃれな洋風居酒屋などでよく出てくるカルパッチョ。味も名前もすっかりおなじみだが、なぜそう呼ばれるかは意外と知られていない。今回は、そんなカルパッチョの語源をご紹介。今日から話のタネになる、大人のグルメ知識をあなたに!問題:次のうち、カ…

 おしゃれな洋風居酒屋などでよく出てくるカルパッチョ。味も名前もすっかりおなじみだが、なぜそう呼ばれるかは意外と知られていない。今回は、そんなカルパッチョの語源をご紹介。今日から話のタネになる、大人のグルメ知識をあなたに!

問題:次のうち、カルパッチョの名前の由来とされるのはどれ?

選択肢:A町の名前 B画家の名前 C調味料の名前

 カルパッチョは、薄切りにした肉や魚にチーズやソースをかけた料理だ。そんなメニューは、どのようにして生まれたのだろうか。

(c)photoAC

 それでは、答え合わせ。

 正解は……B画家の名前!

 この料理の名前は、イタリアの画家ヴィットーレ・カルパッチョに基づくとされる。具体的には、カルパッチョの生誕地(ヴェネツィア)で彼の回顧展が開かれた時期に地元のレストランが生み出した料理だから、カルパッチョの絵は独特の赤と白を特徴としており、その色彩が生肉にチーズやソースをかけた様子に似ているから、などの説があるが、いずれにしても画家のカルパッチョが由来であるとされている。

 ちなみに、現在定番となっている魚のカルパッチョは、実は日本生まれの料理だ。考案したのは、イタリア料理界の第一人者・落合務シェフだといわれる。なぜ魚のカルパッチョを生み出すことになったかといえば、日本ではかつて牛や羊の生肉になじみがなく、本場の味そのままのカルパッチョを提供しても、客に火を通してほしいと言われることが多かったからだ。そのため、生肉の代わりに寿司などでおなじみの生魚を使ってアレンジし、好評を得た、というわけだ。

 その後、世界的な和食ブームがやってくると、今度は日本の魚介系カルパッチョが海外に広まった。寿司や刺身といったおいしい生魚料理の存在が、魚は火を通して食べるものと捉えていた国々にも知られるようになったのだ。文化の伝播には、ときに様々なきっかけや創意工夫が関わっている。

【参考文献】
落合務『ラ・ベットラ 落合務のイタリア料理事典』(講談社 2003年3月)
重金敦之『すし屋の常識・非常識』(朝日新聞出版 2009年2月)

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近藤仁美

<この記事を書いた人>近藤仁美(こんどう・ひとみ)

クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。

日本テレビ系『高校生クイズ』『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』など、各種媒体に問題を提供する。

クイズの世界大会「World Quizzing Championships」では、日本人初・唯一の問題作成者を務める。