マリア・シャラポワ(ロシア)は禁止薬物使用による15ヵ月の出場停止処分からの復帰後、3大会にしか出場していないが、国際テニスの殿堂入りをしている元世界1位のリンゼイ・ダベンポート(アメリカ)は、トップ8によるエリート大会「WTAファイナル…

 マリア・シャラポワ(ロシア)は禁止薬物使用による15ヵ月の出場停止処分からの復帰後、3大会にしか出場していないが、国際テニスの殿堂入りをしている元世界1位のリンゼイ・ダベンポート(アメリカ)は、トップ8によるエリート大会「WTAファイナルズ」(10月22~29日/シンガポール/賞金総額700万ドル)のシャラポワの出場権獲得の可能性について示唆している。

 さらにダベンポートは、第一子出産後、今シーズン復帰2戦目であるウィンブルドン出場を果たしたビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)も、WTAファイナルズ出場のチャンスはあると述べた。

 WTAファイナルズは、世界ランキング上位8名の選手に出場資格が与えられる。

「私はシャラポワとアザレンカの実力を認めているわ。彼女たちは、どうすれば試合に勝てるかわかっているし、これから大会に出場すれば連続でタイトルを獲得する可能性もあると思う」と、WTAファイナルズのレジェンド・アンバサダーのダベンポートはコメントした。

 シャラポワはこれまで5度、グランドスラム大会のタイトルを獲得しており、アザレンカは2度、全豪オープンで優勝している。両者ともに元世界ランク1位の選手でもある。

 シャラポワとアザレンカは、それぞれ異なる理由でツアーを休業し、ともに今シーズンにツアー復帰を果たした。

 アザレンカは出産のため、昨年の全仏オープンを最後にツアーを休業し、先月行われたマヨルカでワイルドカード(主催者推薦枠)を得て復帰を果たした。

 シャラポワは、昨年1月の全豪オープンで禁止薬物のメルドニウムの陽性反応が検出され、15ヵ月の出場停止処分を受けて、今年4月に開催されたシュツットガルトでワイルドカードにより復帰を果たした。

 現在、シャラポワは世界ランク180位で、WTAファイナルズの出場権を巡るポイント・レースでは130位。一方アザレンカは世界ランク683位で、ポイント・レースでは509位にランクされている。

 アザレンカはウィンブルドンでベスト16入りを果たして勝ち上がっており、大会終了後には大幅にランキングを上昇させることが確定している。

「9月に行われる全米オープンで、シャラポワとアザレンカのどちらかがタイトルを獲得する可能性はあると思うの。もしそうなれば、彼女たちは自信をつけて、さらにいい結果出していくことになると思う。これからの1年から1年半は、シャラポワとアザレンカにとっては重要な期間になるでしょう。シャラポワは復帰直後、かなりたいへんだったみたいだけど、彼女がこれから多くの大会に出場して、そこでどのように戦っていくのかが楽しみだわ」と、1999年にウィンブルドン・タイトルを獲得し、その後、準優勝2回(2000年、05年)の経験を持つダベンポートは言った。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は、ツアー最終戦の「WTAファイナルズ」でレジェンド・アンバサダーを務める元世界1位のリンゼイ・ダベンポート(アメリカ)(写真◎Getty Images)

Photo: LONDON, ENGLAND - JULY 06: Newly-appointed WTA Finals Legend Ambassador, Lindsay Davenport of the United States poses ahead of the BNP Paribas WTA Finals Singapore presented by SC Global, on day four of the Wimbledon Lawn Tennis Championships at the All England Lawn Tennis and Croquet Club on July 6, 2017 in London, England. (Photo by Getty Images)