前々から井上(右)との対戦を公言してきたネリ(左)。はたして、このメキシコ人ファイターの願望を叶うだろうか(C)Getty Images ボクシング界の“悪童”が新たな目標をぶち上げた。元世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)…

前々から井上(右)との対戦を公言してきたネリ(左)。はたして、このメキシコ人ファイターの願望を叶うだろうか(C)Getty Images

 ボクシング界の“悪童”が新たな目標をぶち上げた。元世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)が、前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)の対戦相手に名乗りを上げたのだ。

 現在28歳のネリの悪評は尽きない。2017年と18年にWBC世界バンタム級タイトルマッチで山中慎介氏と2度対戦し、ドーピング違反と体重超過が判明。一連の蛮行によって日本ボクシングコミッション(JBC)からは日本での活動停止処分が下され、事実上の永久追放となっている。

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 しかし、ネリは20年9月から挑戦を続けるスーパーバンタム級で地力を発揮。今年2月にアメリカ・カリフォルニア州で行なわれたWBC世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦では、アザト・ホバニシャン(アルメニア)をTKOで撃破。井上が来月25日に対戦を予定しているWBC・WBO世界同級王者スティーブン・フルトン(米国)への挑戦権を獲得した。

 そんな28歳のメキシコ人は新たなターゲットとして日本のモンスターに照準を定めたようだ。メキシコの日刊紙『Record』によれば、ネリ陣営はすでに井上をプロモートする米興行大手の『Top Rank』のボブ・アラムCEOと交渉を開始。自らが描く青写真を成立させるべく、水面下で動き出しているという。

 無論、来月25日のフルトン戦の結果次第で対戦相手は変更される可能性は小さくない。だがしかし、以前から井上を「あいつは、みんなが思っているような怪物なんかじゃない。倒すことができるやつだ」と否定してきたネリは、『Record』で、こう話している。

「フルトンがイノウエに勝てば、ベルトを返上してフェザー級に階級を上げるだろうな。もしも、イノウエが勝てば、俺はあいつと戦わなければならない。なぜなら俺は正式な挑戦者であり、ナンバーワンだからだ」

 また、メキシコの格闘技ニュースサイト『Mundo KO』にもネリはコメント。タイトル奪取とともに、日本での怪物撃破を豪語している。

「俺はイノウエとフルトンの勝者が手にするベルトを取りに行くのを待つだけだ。イノウエになるなら日本で試合をすることになるだろう。彼らはそれを望んでいるからね。でも、俺は再びに日本に戻ってベルトを獲得できることをうれしく思うよ。出場停止処分は受けたが、彼らは拒否権を解除するしかない」

 JBCによる活動停止処分の期限は無期限だ。ゆえにネリの言う「解除するしかない」という論拠は不透明ではある。しかし、彼がタイトルホルダーへの挑戦権を有しているのも事実だ。井上との対決が実現するとなれば、その行方は大きな論争を巻き起こしそうだ。

 はたして、ネリの日本再上陸は叶うのか。いずれにしても井上にとってスーパーバンタム級での初陣となるフルトンとのメガマッチが肝となるのは間違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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