ジョハネスバーグで大敗を喫し、苦汁をなめてケープタウンに移動したサンウルブズ。南アフリカ遠征のラストゲームに奮闘を誓い、現地時間7月8日にニューランズでストーマーズと対戦したが、15-52で敗れた。 チャレンジャースピリッツを見せ、アグレ…

 ジョハネスバーグで大敗を喫し、苦汁をなめてケープタウンに移動したサンウルブズ。南アフリカ遠征のラストゲームに奮闘を誓い、現地時間7月8日にニューランズでストーマーズと対戦したが、15-52で敗れた。

 チャレンジャースピリッツを見せ、アグレッシブに戦った。それでも、スーパーラグビーという、南半球の猛者たちが集う厳しい舞台で勝つことは難しい。

 前半2分、CTBデレック・カーペンターがハイタックルでイエローカードを提示され、サンウルブズはいきなり14人で戦うこととなった。
 それでも、ボールをキープして敵陣でテンポよく攻めていたサンウルブズだが、7分、ブレイクダウンで相手主将のFLシヤ・コリシにボールを蹴られて形勢が逆転し、WTBチェスリン・コルビに拾われ疾走を許し先制された。

 その後、PGで3点を返したサンウルブズだが、13分、相手のロングキックをSO田村優が触ってデッドボールラインを越えたと判定され、自陣深くでの相手ボールスクラムというピンチを迎える。サンウルブズはパワープレーに耐えたものの、ボールを動かされ、CTBのEW・フィルヨンにゴールラインを割られた。3-14。

 しかし19分、サンウルブズはディフェンスでプレッシャーをかけてボールを奪い返し、アグレッシブな前進とクイックリサイクルでテンポよくつなぎ、WTB後藤輝也がトライを挙げる。

 29分にWTB松島幸太朗とHO日野剛志の力強い走りでゴールに迫るもSH内田啓介からFLマルジーン・イラウアへのパスがつながらず、32分にはSO田村のブレイクスルーを機にチャンスとなりながらブレイクダウンでからまれ、連続で好機を逃したが、この日のサンウルブズは1週間前とは明らかに違う、勇敢な狼だった。

 それでも、得点を重ねたのはストーマーズだ。38分、FBディリン・レイズがカウンターで攻め上がってチップキックを使い、いち早く反応したWTBシアベロ・セナトラが確保してゴールに持ち込み、9点差がついてハーフタイムとなる。

 今季1勝しかしていない日本チームに対して、前半はやや手こずった感があるアフリカ第1カンファレンス王者だったが、45分(後半5分)、FBレイズが切り込み、オフロードパスをもらった19歳のSOダミアン・ヴィレムセがハーフウェイ中央から走り切り、リードを広げた。

 10-26とされ、勝利へ向けてこれ以上離されたくないサンウルブズはリスタート直後、相手のミスから敵陣深くでチャンスとなり、フェイズを重ねてトライラインに迫ると、HO日野がインゴールに突っ込んでファイブポインターとなった。

 しかし、時間が経つにつれてストーマーズが地力を発揮。
 56分、ゴール右隅を襲ったFBレイズは、懸命のタックルをしてきたFLイラウアとWTB後藤にトライを阻まれたものの、6月に南ア代表デビューを果たしたこのシャイニングスターはその1分後に防御網を切り裂いてゴールへ駆け抜け、ストーマーズに追加点をもたらした。レイズは67分にもチームアタックをフィニッシュし、15-38。

 サンウルブズは残り時間で意地を見せたかったが、75分にはハンドリングエラーから失点し、ホーンが鳴ったあとにもターンオーバーからトライを奪われ、結局、37点差がつく完敗。この試合で雪辱を果たすことはできなかった。

 1勝13敗となったサンウルブズにとっては、次が今季最終戦。7月15日にホームの秩父宮ラグビー場で、ニュージーランドのブルーズに挑む。