『部活生の強さひきだすプロジェクト RiseUp』は、トップアスリートの特別指導などによって現役部活生の『強さ』をひきだす、部活生応援プロジェクトである。 今回の特別講師は、ハンドボール前日本代表キャプテンで、フランスリーグで日本人選手初…
『部活生の強さひきだすプロジェクト RiseUp』は、トップアスリートの特別指導などによって現役部活生の『強さ』をひきだす、部活生応援プロジェクトである。
今回の特別講師は、ハンドボール前日本代表キャプテンで、フランスリーグで日本人選手初となるオールスター出場などの経歴を持つ、ジークスター東京の土井レミイ杏利選手。母校・浦和学院高校(埼玉)男子ハンドボール部をサプライズ訪問した。
▼動画はRiseUp特設ページから
https://sportsbull.jp/riseup/
前半は土井選手自ら生徒たちにフィジカル・スキル・メンタルの特別指導を実施。後半は、トップアスリートの食事管理も担当する株式会社明治の栄養士・田中麻依子さんによる、スポーツ栄養講座が行われた。今回はその様子をレポートする。
ある日曜日の午後、浦和学院高校男子ハンドボール部は練習を開始した。32連覇がかかるインターハイ予選前日ということもあり、気合も十分だ。その裏で土井選手が体育館に潜入。生徒たちの練習をモニターでチェックする。「身体がっちりしてますね。今日はアスリートとしての心の持ちようを伝えたいです」。
ついに土井選手が彼らの前に姿を現した。ハンドボーラーの憧れ・土井選手の登場に生徒たちは、一瞬静かになるも、「こんにちは!」と礼儀正しく挨拶。
聞けば生徒たちは「状況が理解できず、硬直してしまいました」とのこと。
「僕は皆さんの先輩にあたります。今日はインターハイ前の激励・応援ということで参加させてもらいます。よろしくお願いします!」土井選手の”熱血”指導がスタートした。
練習の最初に生徒たちを集め、土井選手が一言。「何でこの練習をやっているのかを理解して練習をすることが大事。ただただ練習しているだけでは成長が遅くなってしまう」。
コート半面を使った、6対6の練習が始まった。土井選手は生徒たちに熱い視線を送る。
「ディフェンスは良かったんだけど、オフェンスがすごく良くない。さっき1対1はガシガシ行ってたのにちょっと当たられたくらいでパスをしてしまっている。これはハンドボールじゃない。何のために身体を鍛えているのか理解して練習をやろう」。
さらに、土井選手は言葉を続ける。「全国で勝ちたい・将来的に上のレベル・世界で戦いたい、そう思っているんだったら今のうちから意識してやることが大切だから」。高校生年代のトップレベルの選手たちへ、土井選手は日本のトップアスリートとして熱い言葉を贈る。
6対6の練習に土井選手も参加し、次々にダイナミックなシュートを決めていく。シュートを決められたゴールキーパーの生徒は悔しそうな表情を見せていた。土井選手が参加したことで、生徒たちの動きにもどんどん磨きがかかり、見事なパスワークを見せ、ゴールを決めていく。土井選手から「そういうこと!」と声がかかり、生徒たちも充実した表情を浮かべていた。
練習の後は、生徒から土井選手への質問コーナーが設けられた。
「どうしてもうまくいかない時はどういうふうに意識を持てばいいですか」という質問があがり、土井選手は「俺の場合は落ち込まない!何がダメだったかを客観的に振り返る。これが一番大事」と回答。「ダメだった日があったらそれを喜んだ方がいい。ダメだった日こそ胸張って帰りな」と言葉をかけた。
レッスンの最後には土井選手から後輩たちへメッセージ付きのサインボールが送られ、インターハイ埼玉県予選32連覇に向けてエールを贈った。
キャプテンの大久保昌憲さんは「土井選手が教えてくださったように、試合に夢中になって楽しめるような大会にしたい」と感想を語った。
土井選手は「今ってYouTubeなどの色々な映像で自分で色々な学びができる反面、良くないことも起きてしまいます。小手先の技術ばかりになってしまう。映えやすい動画がやっぱりバズりやすいから、検索かけた時にそういうものがヒットしやすいですよね。
基礎的なところを僕は大切にしてほしくて、今日はハンドボールの根本的な、大事なところを伝えたつもりです」と語った。
次に、体育館から教室へと移動し、株式会社明治の管理栄養士・田中麻依子さんからスポーツ栄養講座が行われた。講義冒頭で土井選手から「嫌いなものに挑戦して、克服すると自分の人生がちょっと豊かになる。そういう体験をしてほしい」とメッセージが伝えられた。
「チームの目標は何ですか?」という質問から始まった田中さんの講座。「インターハイ優勝です」とキャプテンが答える。「インターハイ優勝を実現するために、何ができるかをお伝えしていきます」。風邪をひきにくいカラダづくりや練習後のリカバリーの方法について、生徒たちは一生懸命メモをとりながら受講した。
講座の終盤では生徒たちから田中さんへ増量方法やおすすめの食材についての質問があり、講座は終了。
最後に副キャプテンの塩畑陽太さんから感想をもらった。
「土井選手に直接指導していただいたことで、今までやっていたことの中で間違っていたことに気が付くことができました。栄養講座では、意識してやっていたことにプラスして、もっと自分たちでできることがあるんだと勉強になるプロジェクトでした」。
今回が2回目の実施となった、『Rise UP』プロジェクト。技術だけでなく、メンタル、体調管理が重要だということが、トップアスリートから直接生徒たちに伝えられた。スポーツ選手にとって、重要な時期だとされる高校生年代。このプロジェクトが、現役部活生である、浦和学院男子ハンドボール部の「強さ」を引き出すきっかけとなったことは確かだろう。
次はどんなアスリートが、どんな学校を訪れるのか注目だ。
◼︎土井レミイ杏利選手(ジークスター東京)
前ハンドボール日本代表キャプテン。浦和学院高校ハンドボール部出身。日本体育大学を卒業後、フランスに渡り現地の1部リーグのクラブで活躍。2019年からハンドボール日本代表キャプテンを務め、オリンピック2020年大会後、現役日本代表を引退。
ジークスター東京に所属し、今シーズンのチームキャプテンを務める。 SNS上では「レミたん」の愛称で投稿する動画が人気を博し、TikTokフォロワーは700万人以上と、発信力も注目を集めている。
ジークスター東京公式ページ :
https://www.zeekstar.tokyo/