昨季限りで現役引退の坂口智隆氏「この1年は新たな自分を見つける期間」 昨年までヤクルトでプレーした坂口智隆氏は、20年に…

昨季限りで現役引退の坂口智隆氏「この1年は新たな自分を見つける期間」

 昨年までヤクルトでプレーした坂口智隆氏は、20年にも及ぶ現役生活にピリオドを打ち、解説や球界のファンや人口の裾野を広げるYouTube出演など第2の人生を精力的に歩んでいる。今だからこそファンに伝えておきたい思いや、未来への展望……。現役時代はSNSと無縁だった男は40歳を前にしTwitter、Instagramを開設。引退後も“不屈の魂”を持ち、様々な事に挑戦する男にインタビューを行った。

――引退したからこそ、語れることもある。

「ファンの方に向けて恩返しではないですが、伝えたい思いはいっぱいありました。どんな事を考えて試合に臨んでいたか。怪我に強いと思われがちでしたが、本当はそうでもなかったんですよね」

――苦しいことも多かった中で、実に20年間走り続けた。

「辞めてしまうと考えるメンタルもあるが、遠回りしても目標が一緒のところにたどり着けばいい。そこばかり見て、しんどくなるんだったら違う考え方でもいい。今の時代は情報が多くて『やらないといけない』ことが多すぎる。そうじゃなくてもいいんだよと思ってほしい」

――改めて現役生活を振り返ると?

「近鉄、オリックス、ヤクルトの3球団でプレーしましたが、それぞれにお世話になった指導者、先輩、後輩、裏方さんがいる。20年間、現役を続けられたのは自分一人の力だけじゃない。周りの人にも恵まれた野球人生だったと思います」

――引退後は解説者以外にも、Full-CountのYouTube「坂口智隆の『伸び代しかない』の中でも、様々なことに挑戦し続けている。

「YouTubeチャンネルで、いろんな事にチャレンジできる環境を作ってもらいました。色々な他競技から知らない世界を学んでいくことができる。ありがたいことだと思います。でも、もっと自分はできると思っている。この1年は新たな自分を見つける期間だと思います」

小型特殊船舶の免許を取得「海のツーリングをやってみたい」

――外から野球を見る立場になって、現役時代との違いは?

「野球は流れのスポーツ。現役時代と違い、今はグラウンド全体を見ながら試合を見るので、これまで見えなかった色々な動きが分かる。外から見る期間は大事だなと。また、プレーしたいとは思わないですが(笑)。勉強の場をもらったなと思いますね」

――引退してから自由な時間は増えたと思います、今は何をするのが楽しいですか?

「現役の時は生活のほとんどが野球だった。今は色々なお仕事を頂いてますが、自由な時間はかなり増えました。間の時間の使い方を研究している。最近、小型特殊船舶の免許を取りました。現役時代にマリンスポーツは禁止だったので、水上オートバイを使って、海のツーリングをやってみたいですね」

――Twitter、Instagramを使いこなしプライベートをファンに届けている

「ファンの方に恩返しできることはないかと考えて。使い方は全く分からなかったですが、教えてもらいながら、これも日々勉強です。良い恰好を見せようとか、そんなのはこれっぽっちもなく素の自分でいい。今の若い子たちは“数”を競ったり、それが評価に繋がってると思う。もっと楽に考えていいんじゃないかな。僕は自分のペースで楽に考えてやってます(笑)」

――最後にこれまで応援してくれたファンに向けて。

「今のところ、少しずつですが坂口智隆の名前を出せているのかなと。僕も一人のプロ野球ファンになったので、皆さんと一緒に野球を楽しんでいきたい。まだ、まだ成長して色んな事をやっていく姿を見せていきたいですね。野球選手だったということを残していきたい。これからも変わらず、応援してくれたら嬉しいです。今後、もっと皆さんと触れ合う機会を作って交流していきたい」

○坂口智隆(さかぐち・ともたか)
 1984年7月7日生まれ、兵庫県明石市出身。神戸国際大附高から2002年、近鉄にドラフト1位指名を受け入団。2007年からレギュラーとなり、2008年から2011年にかけ4年連続でゴールデングラブ賞を受賞した。2011年には最多安打を獲得し、走攻守三拍子そろった選手として20年間プレー。2022年に現役引退、現在は解説者、指導者として活動。6月に初の自著「逃げてもええねん-弱くて強い男の哲学-」(ベースボール・マガジン社)を出版した。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)