2022-23シーズンにウェスタン・カンファレンス2位の51勝31敗を残したメンフィス・グリズリーズにおいて、最も長い在籍年…

 2022-23シーズンにウェスタン・カンファレンス2位の51勝31敗を残したメンフィス・グリズリーズにおいて、最も長い在籍年数を誇っていたのは6年目のディロン・ブルックスだった。

 2017年のドラフト2巡目全体45位でヒューストン・ロケッツから指名された201センチ102キロのウイングプレーヤーは、ドラフト当日にグリズリーズへトレード。

 キャリア5年目となった2021-22シーズンにはキャリアハイの平均18.4得点に3.2リバウンド2.8アシスト1.1スティールを記録。ジャ・モラント(同27.4得点)に次ぐチーム2位の得点を残していたのだが、翌2022-23シーズンはモラントに加えてデズモンド・ベイン、ジャレン・ジャクソンJr.の台頭もあり、チーム4位の平均14.3得点に3.3リバウンド2.6アシストに終わっていた。

 それでも、レギュラーシーズンでリーグ3位(110.7)のディフェンシブ・レーティングをマークしたグリズリーズにおいて、ブルックスはペリメーター・ディフェンダーとして大きく貢献してきた。

 だがロサンゼルス・レイカーズとのプレーオフ ファーストラウンドではシリーズ平均10.5得点3.0リバウンド1.8アシストにフィールドゴール成功率31.2パーセント、3ポイントシュート成功率23.8パーセントと不発。

 シリーズ中にはレイカーズのレブロン・ジェームズに対して「年寄り」、第2戦を終えて「疲れ切っていた」と挑発する発言をし、第3戦ではレブロンの股関節付近へパンチを見舞うなど問題行動も見受けられた。そのため、グリズリーズはシリーズ敗退後、今夏に制限なしフリーエージェント(FA)となるブルックスに対して“どんな事情であろうと再契約する気はない”と通達したと『The Athletic』が報じていた。

 とはいえ、ブルックスはまだ27歳。ショット面ではネガティブな要素が並ぶも、リーグ有数のディフェンダーで、複数ポジションへスイッチすることも可能なだけに、獲得に関心を示すチームが複数あることも事実。

 6月26日(現地時間25日)。NBAインサイダーのマーク・スタイン記者は、ブルックスが今夏のFA戦線で年平均1240万ドル(約17億7320万円)以上の契約を獲得しようとしていると報道。これまで、同記者はブルックスに対してロケッツ、デトロイト・ピストンズという、いずれも再建期間にいるチームが獲得に向けて興味を示していると報じてきた。

 そのため、今シーズンにオールディフェンシブセカンドチーム入りし、来シーズン以降はオフェンス面でより多くの役割を望むブルックスと、金額面と条件面で折り合いがつけば、どちらかのチームと高額契約を結ぶ可能性は十分あると言えるだろう。