世界が注目する井上(右)とフルトン(左)の対戦が1か月後に迫っている(C)Getty Images 歓喜の戴冠劇への反響は止まらない。6月24日にボクシングのWBA世界スーパーフライ級(52.1キロ以下)タイトルマッチ12回戦が東京…
世界が注目する井上(右)とフルトン(左)の対戦が1か月後に迫っている(C)Getty Images
歓喜の戴冠劇への反響は止まらない。6月24日にボクシングのWBA世界スーパーフライ級(52.1キロ以下)タイトルマッチ12回戦が東京・大田区総合体育館で行なわれ、同級6位の井岡一翔(志成)は前王者ジョシュア・フランコ(米国)に3-0の判定勝ち。引き分けだった昨年の大晦日からのダイレクトリマッチ(直接の再戦)を制し、王座に就いた。
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心身ともに難しい調整が求められた。試合前には大麻成分検出騒動に加え、フランコの3.1キロの体重超過(2度目の計量は2.9キロオーバー)とゴタゴタ続き。試合は引き分けか負けなら空位のままという変則的な条件で実施される形となった。
ゆえに井岡にとっても楽な対戦ではなかった。それでも勝った。戦前に公言した「倒して明確に勝ちにいく」というKO決着こそつけられなかったが、終始フランコを圧倒する内容でフルマークによる判定勝ち。敵陣営も「とにかく言いたいのはイオカの方が上回っていたということ」(トレーナーのロベルト・ガルシア氏談)と脱帽するパフォーマンスだった。
海外メディアも井岡の勝負強さに目を見張る。米格闘技専門サイト『NY Fights』は「イオカは日本で最も偉大なボクサーの一人として、ボクシング殿堂入りが確実となった」と強調。そして、戦前に起きたフランコの体重超過騒動などにも動じずに戦い抜いたベテランを「イオカは戦士としてのメンタリティーを持っていた」と賞賛した。
「ダウンは奪えなかったが、イオカのパンチは効果的で、多彩だった。ボディーやアッパーはフランコを翻弄し、9回には勝利は決定的となった」
「この試合は日本の放送局でのPPVとして供給されたために、コアなファン以外は視聴しづらい状況になったために、多くのファンはナオヤ・イノウエに次ぐ日本ボクシング界屈指のタレントを見る機会を失った」
試合後のリングで実施されたフラッシュインタビューで「前回同様強かったです。ハートも強かったですし、グレートなチャンピオンでした」とフランコを称えた井岡。正々堂々と戦い抜いた34歳は、まさしくあっぱれだった。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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