加藤とスーチャディのペアと対峙したブズコワとソリベストルモ。彼女たちが見せた振る舞いにはいまだ批判の声が続いている(C)Getty Images いまだ余波は続いている。その発端となったのは、去る6月4日に行なわれたテニス4大大会の…

加藤とスーチャディのペアと対峙したブズコワとソリベストルモ。彼女たちが見せた振る舞いにはいまだ批判の声が続いている(C)Getty Images

 いまだ余波は続いている。その発端となったのは、去る6月4日に行なわれたテニス4大大会の「全仏オープン」の女子ダブルス3回戦だった。

 アルディラ・スーチャディ(インドネシア)と組んだ日本の加藤未唯(ザイマックス)が、マリー・ブズコワ/サラ・ソリベストルモ(チェコ/スペイン)組と対峙した一戦でそれは起きた。第2セットの5ゲーム目に加藤は相手コート側へ何気なく返球するも、これがボールガールの頭部を直撃。これがキッカケとなって加藤とスーチャディは失格に。獲得した賞金とツアーのポイントを失ったのである。

【動画】波紋を広げた加藤の失格騒動。 ボールガールが涙したボール直撃の瞬間をチェック

 もっとも、最初の裁定は異なっていた。加藤から「わざとじゃないです」と説明された主審は警告を言い渡していた。だが、泣きじゃくるボールガールを見たブズコワとソリベストルモが執拗に抗議。判断に迷った主審はスーパーバイザーと協議を重ね、裁定を「失格」に変更したのである。

 前代未聞と言うべき変更に世界が驚いた。そして、猛抗議の末に勝利を手にし、喜ぶ姿を見せたブズコワとソリベストルモには、各国メディアやファンから痛烈なバッシングが殺到。一時的にSNSの閉鎖にまで至るほどの反響となった。

 試合終了直後から耐えきれないほどの批判を受けた。それでもブズコワは失意に暮れた28歳の日本人を慮ることを忘れてはいなかったようだ。

 現地6月22日に海外のテニス専門サイト『Clay』のインタビューに応じ、「私はたくさんの励ましのメッセージ、前向きなメッセージを受け取りました」と明かした加藤は、試合直後にブズコワから送られてきたメッセージを告白した。

「今日はごめんなさい。私は、あなたとあなたのパートナーが無事であることを願っています」

 当時、「ソーシャルメディアもチェックしたくなかったし、誰とも話したくなかった」と精神的に落ちていたという加藤は「受け取ったけど、返信はできなかった」という。しかし、彼女はライバルたちの振る舞いを「残念だった」と振り返りながらも、ブズコワとの友好関係は今も続いていると語っている。

 今回の処分を受け、「ウインブルドンでは勝たなくてはいけない」と意気込みを新たにしている加藤。今は「前向きになれている」という彼女が檜舞台でどのようなパフォーマンスを見せてくれるかは興味深いところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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