アイドル業界を参考にグッズを考案 パ・リーグ6球団のグッズショップを巡り、その魅力とイチオシアイテム、製作・運営の裏側を…

アイドル業界を参考にグッズを考案

 パ・リーグ6球団のグッズショップを巡り、その魅力とイチオシアイテム、製作・運営の裏側を紹介する本企画。第5回はオリックス・バファローズの本拠地・京セラドーム大阪を訪問した。

 ドームの東口すぐに位置し、試合前後にもふらっと立ち寄れる「Bs SHOP」。まず目を引くのは、壁一面のNEW ERA製キャップ。今季から選手が着用しているオーセンティックにレプリカ、シンプルな「Buffaloes」ロゴがデザインされたものなど、バラエティ豊かだ。

 取材当日は「Bsオリ姫デー2023 supported by DmMiX」の初日で、店内もイベント仕様に。ポスターのビジュアル公開直後から話題を呼んだだけあり、開店前から約500人もの行列ができていた。店長の久田篤史さんは「たくさんのお客さまにご来店いただける想定でしたが、予想を大きく上回りました。オリ姫の皆さまの熱量に負けないよう、大量に商品を用意しています」と気合十分の様子だった。

「今年のコンセプトは『アイドル』なので、実際のアイドルグッズにあるようなものを中心にラインナップしています。プロ野球ファンもアイドルファンも、『推し』がいることは共通しているので、アイドル業界を参考にしてつくりました」と話すのは、グッズ開発を担当するMD部の竹内久美子さん。今年のイベントコンセプトに合わせて、うちわ、ペンライトなど、アイドルグッズの定番アイテムを取り入れた。一見「CDデビューしたのかな?」と思うような見せ方にするため、「オリメンCD風メモ帳」(1200円)も企画したという。

「選手が忙しいなか協力してくださっていますし、ファンの方も選手のさまざまな顔を見たいと思うので、グッズにはできるだけ多くのカットを使っています。まず特定の選手のファンになり、そこからチームのファンになる方も多くいらっしゃるので、選手のグッズを豊富にするところも意識していますね」

コメント付きタオルは選手たちから自発的に宣伝

 球場で好きな選手へエールを送る際には、応援タオルが欠かせない。自信作だという「プレイヤーズフェイスタオル」(2000円)は、選手の特徴や好きな色を反映。チーム広報らにも協力してもらい、インパクトのあるキャッチフレーズを考案しているという。また、女性ファンが多い山崎福也投手のタオルは女性に手に取ってもらいやすいビジュアルに。男性人気の高い選手のタオルには、力強いフォントを使用するなどの工夫も加えられている。

 そして、バファローズのグッズでタオルといえば「応援メッセージフェイスタオル」(1500円)。「バッファローズちゃうねん!」「心臓がもたん」など、ユーモア満点のメッセージが魅力の商品だ。なかには、吉田正尚外野手(現レッドソックス)の「まだ有休が残っている方は使っていただき、家族、友達と一緒に僕たちと戦っていきましょう」というスピーチから生まれた「有休使って来たよ!」や、杉本裕太郎外野手の「なにそつ(何卒)」発言を取り入れた「ここは何卒(なにそつ)!」タオルも。

「選手の発言に関連した商品は、ファンの皆さんに喜んでいただけるので、日頃から選手のコメントは漏れのないようにチェックし、スピード感も大事にしていますね。『なにそつ』タオルを発売したときには、杉本選手がご自身のSNSに載せてくださいました。バファローズの選手は結構グッズもチェックしているみたいで、自発的に宣伝してくれます」

 普段からMD部内でのコミュニケーションが活発で、気軽にアイデアを出し合える環境だというバファローズ。「自分が考えたグッズにいろいろな反応をいただくので、ファンの方とつながることができます。『バファローズファンでよかった』と言ってもらえることがうれしいです」と竹内さん。ショップ店長の久田さんも、「Bs SHOPで応援グッズをご購入いただき、全力で応援を楽しんでもらうことで、忘れられない体験のひとつになればと思っています」と語った。(「パ・リーグインサイト」高橋優奈)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)