1点ビハインドの8回2死一、三塁で代走・門脇■楽天 2ー1 巨人(17日・東京ドーム) 巨人は17日、本拠地・東京ドーム…
1点ビハインドの8回2死一、三塁で代走・門脇
■楽天 2ー1 巨人(17日・東京ドーム)
巨人は17日、本拠地・東京ドームで行われた楽天戦に1-2で惜敗し、今季最長の連勝が6でストップした。この試合に勝っていれば、DeNAの結果次第で9年ぶり3度目の交流戦優勝が決まる可能性があったが、持ち越し。1点ビハインドの8回、チャンスでの盗塁失敗が勝敗を分けるポイントとなった。
2試合連続サヨナラ勝ちで勢いに乗る巨人が、この日も終盤に見せ場をつくった。1点を追う8回、楽天3番手の右腕・酒居知史投手を攻めて2死一、三塁とし、打席には6回に10号ソロを放っている大城卓三捕手。一塁走者・中田翔内野手の代走として、ドラフト4位ルーキーの門脇誠内野手が登場した。
大城の初球に、いきなり門脇がスタート。しかし途中出場でこの回からマスクをかぶっていた楽天・太田光捕手が、滑り込んでくる門脇の足と二塁ベースの間に絶妙の球を送り、タッチアウト。原辰徳監督は間髪を入れずにリクエストしたが、リプレー検証も判定は覆らなかった。9回も相手の守護神・松井裕樹投手に3者三振に仕留められ、結果的に1点が重かった。
「あそこで盗塁しちゃいけないということは、全くない話でね。ただ、キャッチャーがいいボールを放ったというところですね。(門脇も)いいスタートを切りました。それがプロだから。相手が上回ったというところですね」。原監督は試合後、淡々と振り返った。盗塁のサインが出ていたのか、門脇自身の判断だったのかはわからないが、いずれにしても、原采配において代走は常に重要な要素で、スリリングな場面で果敢にスチールを仕掛けてくることも多い。この日も成功していれば、一打同点の場面から一打逆転へと相手を追い込むことができた。
“第2次政権”下で活躍した鈴木尚広コーチ
原監督の第2次政権時代(2006年~2015年)には、鈴木尚広・現1軍外野守備兼走塁コーチが、絶対的な足のスペシャリストとして重宝されていた。規定打席に到達したことは1度もないが、通算228盗塁を記録し、成功率は約83%を誇った。ちなみに、NPB歴代1位の1065盗塁を誇る福本豊氏でも、成功率は約78%だ。たとえば、1点ビハインドの9回、2死からでも1人走者が出れば“代走・鈴木尚広”が登場。相手を恐怖に陥れた。実際に早いカウントで二盗を決めて一打同点の局面をつくり、チームを勝利に導いたこともしばしばあった。
今の巨人でそれに近い存在と言えば、今季成功率100%(盗塁6、盗塁死0)の重信慎之介外野手だが、打率.316と打撃も好調。この日は結局出番がなかったが、延長戦にもつれ込む可能性も十分ある展開だっただけに、もっと後で代走もしくは代打が想定されていたのかもしれない。8回に指名された門脇も、50メートル5秒8の快足の持ち主で、これまでは成功率75%(盗塁3、盗塁死1)だった。
交流戦は17試合11勝6敗の単独首位で、残り1試合となった巨人。16試合10勝6敗の2位・DeNAに加え、17試合10勝7敗のソフトバンクとオリックスにも交流戦優勝の可能性が残ったが、原監督は「心構えとしては変わりません」と平常心を強調した。勝負所のしびれる場面でも、相手は常に盗塁警戒を怠ることができない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)