6月16日、高崎アリーナにて「三井不動産カップ2023(高崎大会)」の第1戦が行われ、FIBAランキング9位の女子日本代表は…

 6月16日、高崎アリーナにて「三井不動産カップ2023(高崎大会)」の第1戦が行われ、FIBAランキング9位の女子日本代表は、同52位の女子デンマーク代表と対戦した。

 試合は、第1クォーターから日本が圧倒する展開となり、前半を終えて59-21と大きくリード。後半も激しいディフェンスから相手のミスを誘発し、デンマークに付け入る隙を与えない。そのままリードを広げた日本が、101-39で大勝した。

「点差は離れましたが、自分たちがやりたいことや試したいことにフォーカスして、相手に流されずに、自分たちのペースでバスケットをすることを考えていました。自分たちのやりたいことを最後までできたのではないかと思っています」

 試合後、日本の司令塔である山本麻衣(トヨタ自動車アンテロープス)は、このように感想を語った。特にスターターのポイントガードとして、「日本はディフェンスから流れを作らないと勝てないので、ディフェンスの強度の設定は、ガードが最初にプレッシャーをかけないと始まらないと思ってました。それと、(オフェンスでは)リズムをしっかり作ることも意識してゲームに入りました」という。

 その“オフェンスのリズム”では、6月上旬のカナダ遠征での、「ディフェンスからオフェンスの切り替えのところで、ゆっくりいくと捕まってフィジカルでやられてしまうことがあったのですが、それをどんどん改善して遠征を終えることができました」という経験から、攻防の切り替えの早さに重きを置いていたようだ。三井不動産カップでもカナダ遠征で修正できたところは「しっかりと継続したい」と考えており、「相手のシュートが入っても入らなくても、まずはプッシュして速い展開に持っていこうと思っています」と、力強く発した。

「相手のディフェンスが下がっているということはある程度わかっていたし、タフなシュートではなかったこともあって、積極的に狙っていきました」と、山本自身も、試合では約22分の出場で12得点を奪取。攻防において日本を勢いづけた。

 また、「リズムを作りたかった」(恩塚亨ヘッドコーチ)ということから、ガード陣を2ガードでの起用することが多かったが、これに関しても、「ガード同士なのでパスを出すタイミングや、ここにいてほしいというところの意思疎通がすごくできています。わかり合えることが多いので、リズムよく、停滞することなくバスケットをできたと思います」と、山本は笑顔を見せた。

「恩塚さんのバスケットは、(オフェンスの)形はあるのですが、いい意味で自分自身がゲームメイクできるので、自分からやりたいことを率先して伝えて、それを全員が共通理解できるようにしたいと考えています」と、山本。

「自分のコンディションを上げていくことが目的の一つ。あとは、デンマークがどういう相手なのかわかったので、(第2戦目以降も)ディフェンスの強度を保って、ずっと動き続けることと、自分たちのペースで40分間戦うことができるようにしていきたいです」

 アジアカップ直前となる三井不動産カップでの3連戦。その位置づけをしっかりとした口調で語った山本は、同じくデンマークを相手に戦う第2戦でも、攻防において要となってチームを引っ張っていく。

文=田島早苗