日本代表は15日のエルサルバドル代表戦に勝利し、森保一監督率いる第2次政権での初勝利を飾った。6-0という大勝だったが…
日本代表は15日のエルサルバドル代表戦に勝利し、森保一監督率いる第2次政権での初勝利を飾った。6-0という大勝だったが、この試合からは今後に向けてのどのような指針が浮かび上がったのか。ベテランサッカージャーナリストの大住良之と後藤健生が激論を交わした。
■侮れなかったエルサルバドル
――開始4分までに2得点して相手は10人になってと、評価が難しいゲームだったかもしれませんが、全体の出来をどうみますか。
大住「あの退場は残念だったよね。ちょっと気の利いた審判だったら、退場処分にはしなかったと思うんだけど…」
後藤「ワールドカップだったら大歓迎だったんだけどね。そんな試合がありましたね」
――ロシア・ワールドカップ初戦のコロンビア戦を思い出しました。
後藤「あの時は1-0だったけどね。とにかく、この試合は3月の試合より間違いなく良かったことは確か。あの出来なら相手が11人のままでも、3-1なり2-1なり、どういうスコアになるかは分からないけど、間違いなく勝てただろうという思いますけどね」
大住「エルサルバドルは、弱いチームじゃないよ。個々が球際で強かったし、技術もしっかりしていた。だから、もうちょっとオープンというか、お互いに攻め合うような試合になったら、もうちょっと攻撃も効果的になったかもしれないし、もうちょっと良いところが見えたかもしれないと思うけど」
後藤「1点くらい取られても、おかしくなかったよね。あの9番(ブライアン・ヒル)は怖い選手だったよね」
大住「そうだね、良い選手だった」
後藤「それにボランチの6番(ナルシソ・オレジャナ)と8番(ブライアン・ランダベルデ)から良いパスは出るしね」
■サイドバック起用への疑問
大住「ちゃんと11人そろっているエルサルバドル相手にどんなプレーができるのか見たかったけど、最初のポジションを確認する前に1人少なくなっちゃった」
後藤「でも、おかげで楽な形で新しい選手にデビュー戦を飾らせることができた。それは少ない収穫のひとつだな」
大住「途中出場した選手だと、伊藤敦樹だね。先発した森下龍矢は、力を発揮していたよね」
後藤「地元サービスなのか、かつて所属していた菅原由勢に森下と、両サイドバックは名古屋グランパス勢だったね。途中からはポルトガルに期限付き移籍中の相馬勇紀までサイドバックに入った」
大住「相馬のサイドバック起用は、ちょっとどうなのという感じがしたけどね」
後藤「その件に関しては、記者会見で森保一監督に誰も質問しなかったね。あの並びだと、浅野拓磨と相馬という2人のウィングが同サイドにいるような感じだから、どうしても1点取らなければいけない最後の15分といった状況では使えるかなという気はするけど」
大住「浅野もウィングとしては物足りなかったかな」
後藤「あのポジションは久保建英と堂安律、何より伊東純也もいるんだから。次の試合は、伊東が出てくるだろうけどね」
■真面目すぎる代表選手たち
大住「相馬のサイドバック起用は、取り組みとして必要だったのかなと思うよね。相馬をあのポジションに起用すること自体が目的ということなのかな」
後藤「相馬自身の新しい可能性を探っているのかもしれないし、何か意図があるからやったことは間違いない。必要に迫られてやった、というわけじゃないでしょ」
大住「菅原は右のサイドバックとして日本代表でポジションをつかんだと思うんだけど、1人だけでは困るから、バックアップを誰にするかということなのかもしれないけどね」
後藤「3月には、サイドバックがボランチの位置に入ったりと、いろいろやっていたじゃない。今回はふつうにオーバーラップを繰り返すという単純な形にしていた。その方がずっとやりやすそうだったね」
大住「使う選手のタイプにもよるね。どうも日本の代表選手たちは真面目すぎるというか、課題を持って練習していると、それをやってみよう、やらなくちゃ、やらないと評価してもらえない、と懸命に取り組む感じがある」
後藤「中盤に入るプレーをやらせるなら、山根視来といった普段からそういうプレーをやっている選手を使った方がいいよね」
大住「森下と菅原は、ふだんはクラブでそういうプレーをしないからね」
後藤「そう。しかもエルサルバドル戦では左右ともサイドハーフがある程度ちゃんとプレーできたから、オーバーラップするタイミングも取りやすかった」
大住「菅原は3月の試合よりも攻撃に出ていくタイミングが改善されているように思った。彼の守備には全然問題がないわけで、課題は前との絡み方。それがこの2、3か月の間に改善されているような感じがした。背番号2をずっとつけていられそうな感じがしたな」
後藤「酒井宏樹が出てきたらどうですか? 2.5くらいになっちゃうかな?(笑)」