スローン・スティーブンス(アメリカ)は故障した左足のせいで、もう一年近くも公式戦でプレーしていなかった。だから彼女が火曜日にウィンブルドン(7月3〜16日)の芝の上に足を踏み入れたときには、それ自体が重要な意味を持っていた。「ただコートに…

 スローン・スティーブンス(アメリカ)は故障した左足のせいで、もう一年近くも公式戦でプレーしていなかった。だから彼女が火曜日にウィンブルドン(7月3〜16日)の芝の上に足を踏み入れたときには、それ自体が重要な意味を持っていた。

「ただコートにいる、ということに私は安堵し、幸せを感じ、そして興奮していた」とスティーブンスは言った。「つまり、すべてのいい感情を覚えていたの」。

 足の手術の6ヵ月弱後、スティーブンスはプレーに戻り、アリソン・リスク(アメリカ)に対する同国対決となったウィンブルドン1回戦に2-6 5-7で敗れた。

 スティーブンスは2013年ウィンブルドンでベスト8に進出、6つのグランドスラム大会に連続して最低でも4回戦に進出し、当時のライジングスターであるかに見えていた。彼女はその年の初めに全豪オープンで準決勝に進出し、WTAランキングでキャリア最高の11位に至った。

 しかし昨年は、左足の疲労骨折の前兆に苦しめられており、本人によれば、それはリオ五輪の1回戦で敗れたときに自分を煩わせていた症状だったという。リオの試合はスティーブンスにとって連続4度目の敗戦で----彼女の最後の勝利は、一年前のウィンブルドンでの2回戦にまで遡る----この火曜日以前に出場した最後の試合となっていた。

 スティーブンスはオリンピック後、何ヵ月も足の治癒を待ちながらウォーキングブーツ(ギブスや骨折幹部などの上にとりつけるブーツ型の補強カバー)を履いて過ごした。

「医者たちは直によくなるよ、というようなことを言っていたのだけれど、なかなかよくならなかった」と彼女は回顧する。

 今年の初めには、ふたたびプレーできるようになる、と思っていた彼女はシドニーに出場しようとオーストラリアまで行きさえした。しかし、スティーブンスが現地に到着したはいいが足の感じはよくなく、MRI検査の結果、状態はむしろ悪化していることが判明。疲労骨折していた彼女は、結局1月に手術を受け、おかげで痛みが軽減されることになった。

 治癒のための休養期間の間、彼女はテニス・チャンネルでテレビの仕事を行っていた。そして1ヵ月半前に彼女はトレーニングを再開したのである。

 彼女のランキングは今や336位に落ちた。24歳のスティーブンスは医師から、ようやく大会でのプレーに戻ってよいとの許可を受け、それゆえ「それなら、試さない手はないわ」と行動を起こしたのだという。

「私はできることはすべてやった。もちろん、今日の試合で勝つことはできなかったけど、でもコートに出て行って、痛みなく戦うことができた」と彼女は言った。「そして、そこそこいいプレーをすることができた」。

 スティーブンスは、かつてのレベルにまで調子を戻し、試合のプレーに対処することに慣れるには時間がかかるだろうと認めた。

「彼女がプレーしていると誰かに聞いたとき、『なんてこと! 彼女がカムバックしたことすら知らなかった』と思ったわ。だから驚きだった。でも、言うまでもなく、彼女はいろいろなたいへんな経験を潜り抜けてきたわけだから、彼女がコートに戻ることができて本当によかった」と46位のリスクは言った。

「本当に多くの努力を積んだのでしょうね。よく走っていたし、堅実にしっかりショットを打っていた。彼女が今、以前のレベルになかったとしても、時間を追うごとに、かつていたレベルに近づいていくだろうと私は確信しているわ」(C)AP(テニスマガジン)

※写真は左足の疲労骨折から回復し、「ウィンブルドン」で大会に戻ってきたスローン・スティーブンス(アメリカ)。(写真◎Getty Images)

Photo: LONDON, ENGLAND - JULY 04: Sloane Stephens of the United States plays a forehand during the Ladies Singles first round match against Alison Riske of The United States on day two of the Wimbledon Lawn Tennis Championships at the All England Lawn Tennis and Croquet Club on July 4, 2017 in London, England. (Photo by David Ramos/Getty Images)