旗手怜央にとって、このエルサルバドル戦は存在理由をかけた一戦だった。 旗手は6月15日に豊田スタジアムで行われたエルサ…

 旗手怜央にとって、このエルサルバドル戦は存在理由をかけた一戦だった。

 旗手は6月15日に豊田スタジアムで行われたエルサルバドル戦に先発フル出場。これは、2022年3月29日のアジア最終予選ベトナム戦以来の代表Aマッチだった。

 開始3分にエルサルバドルに退場者が出る展開の中、インサイドハーフでプレーして、6-0での勝利に貢献した。このポジションでの起用について旗手はコーチングスタッフに感謝しつつ、悲壮な覚悟を口にした。

「まずそこに関しては本当にスタッフのみなさんには感謝しているし、ただそこで生きないのであれば、僕のいる価値はないと思っていたんで。今日は本当にチャンスを与えてもらったし、やっぱりここで自分の良さを出せないのであれば、もういる意味はないなとは思っていたので」

 そう話す旗手は「そういった意味ではゴールとアシストはないですけど、ただ自分の良さというのは出せたのかなと思います」と述べている。

 ここで言うところの「自分の良さ」とは攻守に動き回っていた部分。すなわち、守備時にはアンカーの守田英正をサポート。攻撃時には相手ペナルティエリア内にまで入り込み、攻撃のアクセントとなった働きを指す。そうやってチームのために上下動を繰り返した旗手ではあるが、それは同じくインサイドハーフで先発した堂安律の特徴を踏まえての働きだったという。

■「自分の良さはゴール前に出て行くところ」

「ヒデくん(守田英正)はアンカーで、インサイドがリツ(堂安律)と僕だった。リツは結構やっぱボールを持ってる選手だし、自分で行ける選手なので」

 そう話す旗手は、その堂安を単騎で動かす一方「やっぱり、自分の良さはゴール前に出て行くところでもあるので」と述べて守田のサポートを優先させた自らのプレーを説明した。ちなみにこうした上下動については、守田と二人で話しながら決めていたとしている。

「ある程度ビルドアップで下がる、下がらないっていうのはヒデくんと話しながらも、自分の良さを出すために前に行くという部分は、ずっと話していた」

 なお、前に出ていくタイミングは「左のリョウヤ(森下龍矢)だったり、薫(三笘薫)が持った時」で、出ていく場所は「ニアゾーンだったり、斜めの位置」だったと説明。

 そこに入ることは「常に意識をしてた」のだという。それがあの超人的な運動量だったが、試合自体は「きついっす。90分出ることもセルティックではあんまりないので」と苦笑いしていた。

(取材・文/江藤高志)

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