18日に阪神競馬場で行われるマーメイドS(GIII、芝2000m)の「血統傾向」を分析する。2018年以降のマーメイドS…
18日に阪神競馬場で行われるマーメイドS(GIII、芝2000m)の「血統傾向」を分析する。
2018年以降のマーメイドSで3着内に入った種牡馬データを集計した下記の血統表をもとに推奨馬を紹介する。
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■瞬発力に優れたディープインパクト系が走りやすいレース
過去5回の種牡馬成績を見ると、ディープインパクト系種牡馬が【2.2.1.12】、勝率11.8%、複勝率29.4%、単勝回収値221と好成績。2018年以降、ディープインパクト系の種牡馬は毎年少なくとも1頭が馬券圏内に入っているように、軸に最適な血統と言えそうだ。
また、2018年以降、10番人気以下から4頭も連対馬を輩出していることから、過去の実績、当日の人気に関係なく、マーメイドSの舞台ではこの血統を軽視してはいけないと言えるだろう。
一方、キングマンボ系種牡馬は15頭が出走してすべて4着以下に敗れている。今年もルーラーシップ産駒のビッグリボンやリオンディーズ産駒のストーリアなど複数の出走があるが、本レースでは軽視しても良いだろう。
このようにディープインパクト系種牡馬が得意とする理由は、コース形態とレース展開にある。阪神芝2000mは、コーナー4度の内回りで、スタート直後に急坂が待ち構えているコース形態。
これに加えて、牝馬にとっての2000mは長距離戦と言ってよく、レース全体のペースはスローペースで流れる傾向にある。その結果「瞬発型」になりやすく、瞬発力に富んだディープインパクト系種牡馬がフィットしやすい。
今回はキズナ産駒に注目する。
■シンシアウィッシュ
父に2013年の日本ダービー馬・キズナ。母父は2001年の英ダービー制覇など欧州GI3勝のガリレオという血統構成。
シンシアウィッシュは前走・糺の森特別(2勝クラス)を勝利しここに挑む。重賞挑戦は3歳時のフローラS以来となるが、現在の勢いを考えれば、連勝の可能性も十分だろう。
また、本馬のこれまでの戦績は13戦で【3.3.1.6】、大きく崩れたのは休み明けだった太宰府特別のみと、安定した走りが魅力。先行して速い末脚を使ったり、控えて末脚を爆発させることも出来るなど脚質にも幅があり、非常に器用な馬だ。
さらに今回のハンデ51キロも恵まれた印象で、重賞の強い相手でも相手なりに走ってきそうで軽視できない1頭だろう。
ここで血統面のデータに注目したい。父キズナ×母父サドラーズウェルズ系の牝馬は、芝の2000mに出走すると【4.4.1.10】という成績で、勝率21.1%、複勝率47.4%をマークしている。
シンシアウィッシュ自身も3歳時に東京芝2000mが舞台のフローラSで3着と好走しており、2000m戦への適性が高いことが実証済み。
また、この血統は芝の2000mのコースのなかでも特に坂のあるコースで好成績を挙げており、その成績は【4.3.1.7】。勝率26.7%、連対率46.7%。単勝回収値100、複勝回収値128という抜群の成績を誇っている。
一方で、平坦なコースでは勝ち星がなし。これらの敗戦した4頭すべてが5番人気以内に支持されていた馬であったことを考慮しても、坂のあるコースで持ち味を発揮できる血統であることは明らかだ。
シンシアウィッシュはまだ2勝クラスを勝ち上がったばかりであり、5番人気前後に留まりそうだが、坂のある阪神コースという得意な条件であればいきなり通用してしまうことも十分考慮すべきだろう。
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文●中井達也(SPREAD編集部)