男子テニスのカリビアン・オープン(プエルトリコ/パルマス・デル・マル、ハード、ATPチャレンジャー)にワイルドカード(主催者推薦)で出場する元世界ランク4位の錦織圭は、日本時間14日の午前7時以降に開始予定の公式戦復帰を前に記者会見を行い…

男子テニスのカリビアン・オープン(プエルトリコ/パルマス・デル・マル、ハード、ATPチャレンジャー)にワイルドカード(主催者推薦)で出場する元世界ランク4位の錦織圭は、日本時間14日の午前7時以降に開始予定の公式戦復帰を前に記者会見を行い、復帰戦へ向けての意気込みや離脱期間中に感じていたことを率直に語った。
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2021年10月のBNPパリバ・オープン(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード、ATP1000)を最後に長期欠場となった錦織。自身3度目の“メス”となる股関節手術、一進一退を繰り返したリハビリ、復帰への焦りや不安などを乗り越え、ついに戦いのコートに立つ。
復帰戦となる1回戦では世界ランク333位のC・ランモ(アメリカ)との試合が組まれ、いよいよ復帰の時を迎える。復帰を前に錦織は記者会見を行い復帰への想いを語った。
【錦織圭 記者会見一問一答】
―――1年8ヵ月ぶりの復帰、おめでとうございます。不安な気持ちと楽しみな気持ちがまじっているかと思いますが、今の率直な気持ちからお聞かせください。
「楽しみな気持ちはすごく大きいです。久しぶりに会場に来て、若干不安もあります。選手たちを間近で見るのもほぼ2年ぶりということで、緊張もそういった意味であります。それと同じぐらいここからやっと戻れるんだな、という安心感と楽しみがあるので、まずは試合を楽しむことが一番かなと思います。しばらくは自分のプレーに納得がいかなくてイライラすることも多いと思うので、なるべくうまくメンタルを落ち着かせてプレーできるように意識しています」
―――現地で練習された時のご自身の感触は?
「悪くはないですね。久しぶりにこのレベル(世界ランキング)200、300位ぐらいの選手と練習することにはなるので、驚きというか、まだまだついていけていない部分はあったりはするのですが、課題としては、ここの遅いコートと暑さがどうなるかというところです。コートがかなり遅いので、頭を使いながらプレーしないといけないなと思っています」
―――1年8ヵ月という期間、振り返っていただくと、テニス人生の中でどのような期間になるという思いがありますか。
「なるべくポジティブにはいきたいですけど、どうしてもこの歳で2年弱休むということがマイナスでしかないので、どれだけ早く自分の納得いく姿に戻せるかというところは、ある意味チャレンジとして楽しむしかないかなと思います。自分の身体と相談しながらやっていくことになると思います」
―――自分の道を示していければいいな、頑張る自分をみて自分もできると思ってほしい、と以前話されていたと思うのですが、今回の復帰もいろんな人に勇気を与えるのではないでしょうか。
「勇気を与えている余裕はあまりないですけど(笑)。自分のできることのすべてを、テニス人生で出し切って終わりたいと思っています。さすがに今、辞めるオプションがあるのかと言われると、それをするとかなり悔いが残ってしまう。まだそこには至れないところはあるので、もうちょっと這いつくばって頑張ってやっていきたいなと思います」
―――ここから一歩ずつだと思うのですが、ご自身でどういう目標を持っていますか?
「なるべく早く1回勝つということです。自信をつけたり、ラリー戦をしっかりやることで自分のペースが戻ってくるだろうし、まずはどこかで1回勝って、ということがとりあえずの目標になると思うので、まずはチャレンジャー(大会)で自信をつけてからツアーに戻っていきたいと思っています」
―――初戦に向けて特に意識されている部分がありますか。
「納得いかない時間の方が、多分自分の中で多くなるので、アンガーマネジメントといいますか、うまくいかない中でも勝っていくことで、自信をつけて、やり方を見つけて、ということにしばらくはなるかと思います。そのあたりを注意しながら楽しんでやりたいです」
―――出場されることを決断されたのは実戦でしか得られないものや、タイミング的なものとかがありましたか。
「なるべく早く試合に出たいというのはありました。自分の中では90か100ぐらい出せるレベルにはいると思う。とりあえず試合に出てみたいというところに、今回はチャンスをいただけたので良いタイミングでした」
―――夏頃にはちょっと戻れないかも、と頭をよぎったと言われていましたが、気持ちの部分はかなり辛い1年8ヵ月でしたか。
「めちゃくちゃ長かったですね。1年弱のときに、半年ぐらい動けずにリハビリして、やっと(試合に)出られるかなというところで、また原因不明の痛みが出て、いつ戻れるかわからないっていうところが、かなりストレスはかかっていたんですけど、なってしまったものは、どうしようもないので、ほぼ無心でやっていました」
―――昨年、フェデラー選手が引退、ナダル選手も来季での引退を発表しました。アルカラス選手など世代交代が進んでいますが、その状況どういうふうにご覧になっていますか。
「若干怖いのはトップの若い選手と試合をしたことがないこと。僕がちょうど(ケガで)いなくなった時に、(トップ戦線に)出てきたルード、シナー、アルカラスももちろん。彼らとは試合もしていないし、間近で見てもいなかった選手たちがトップ10に入ってきて…、という新しい時代になっている期間を逃しちゃったので。特にアルカラスのテニスを見ているとちょっと規格外の感じがするので、彼とやれるレベルに戻れるかなという不安があります」
「フェデラーの引退が個人的にはすごく残念でした。試合を見返していると、もう一回戦いたいな、と唯一思える人だったので、そこは寂しさがありますね」
―――今は期待と不安どのような比率でしょうか。先月は「100・100」とおっしゃっていました。
「今、150・150ぐらいです。不安も結構あります。自分のテニスにどうしても納得いかない部分が多いので、そこは…。何回も復帰は経験しているので、そのプロセスは慣れているといえば慣れているのですが、どうしても自分の理想と現実がかなりかけ離れているので。そういう状態での試合で、どうなるかなという不安が若干大きいのと、久しぶりにテニス会場に来るというのが、若干鼓動が早くなるというかそういう面もあります。同時に(復帰)試合もどこかでやらないといけないので、その楽しみもあります」
―――戻るまでに時間がかかるというのは、技術面、試合勘、スタミナなどどういうところでしょうか。
「スタミナは多分なんとかなると思います。もちろん(実戦を)やっていかないと得られない部分はあると思いますけど、そこはそんなに心配してないです。ただ、どうしても感覚っていう部分が…。ボールを毎回、真ん中で捉えられなかったり、コントロールが若干ぶれてしまったり、狙ったところにボールが入ってくれないのは試合をしていかないと(感覚が)得られないところなので、真ん中で打ち合う分には、きれいに打てるんですけど、どうしてもポイント練習が始まってしまうとグラグラになっちゃう部分があります」
期待と不安、両方を抱いて迎える復帰戦は、13日のスタジアムコートの第5試合に組まれた。第4試合は日本時間14日の7時(現地13日の18時)以降に開始予定。
試合は日本時間14日午前7時以降にWOWOWオンデマンドでライブ配信される(※錦織出場試合のみ)。
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6/12(月)開幕「男子テニスATPチャレンジャー プエルトリコ」

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