ルマンの会場でNASCAR参戦を発表した小林可夢偉(トヨタ自動車提供) 世界耐久選手権(WEC)に参戦するトヨタのWECチーム代表兼ドライバーを務める元F1ドライバーの小林可夢偉が米ストックカーレースの最高峰、NASCARカップシリ…
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ルマンの会場でNASCAR参戦を発表した小林可夢偉(トヨタ自動車提供)
世界耐久選手権(WEC)に参戦するトヨタのWECチーム代表兼ドライバーを務める元F1ドライバーの小林可夢偉が米ストックカーレースの最高峰、NASCARカップシリーズに初挑戦することが決まった。
8月13日に米インディアナポリスのインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースで開催される第24戦「ベライゾン200アット・ザ・ブリックヤード」にトヨタ・カムリでスポット出場する。最高峰シリーズの公式戦に挑むのは日本人では2002年の福山英朗以来で、トヨタ車では日本人初となる。
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可夢偉の電撃発表は7日にWEC第4戦ルマン24時間レース(決勝10~11日)の舞台となる仏サルトサーキットで行われた。
「私は幸運にもここ数年、(米国)IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のいくつかのレースを戦ってきました。IMSAとNASCARは異なるレースではありますが、レースのテクノロジーは非常に高いレベルにあると思っています」とコメント。さらには「トヨタの車両でカップシリーズに参戦する日本人ドライバーは私が初めてになると思うので、このチャンスをいただけて本当にうれしいです」と続けた。
F1ドライバーでは元王者のキミ・ライコネンが今季のシリーズ第6戦(米テキサス州オースティン)にスポット参戦しており、他にもジム・クラーク、ジャック・ビルヌーブ、ファン・パブロ・モントーヤらが最高峰シリーズの出場経験がある。
これで可夢偉は世界の主要サーキットレースの「コンプリート」の可能性も出てきた。
F1、ルマン(WEC)だけでなく、2017年に電動車のフォーミュラEにスポット参戦。このほか日本ではスーパーフォーミュラ、スーパーGT、欧州ではF3ユーロシリーズ、GP2(現F2)を戦ったことがあり、NASCARカップシリーズに出場すれば、残る主要カテゴリーは米インディ500でも知られるインディカーシリーズくらいとなるのだ。
インディカーはホンダ、シボレーの2社が出場チームのマシンにエンジンを供給しており、トヨタ系の可夢偉にとってはハードルが高いカテゴリーだが、IMSAではキャデラック、フォーミュラEではトヨタとは関係が薄いアンドレッティから参戦したことがある。F1でもトヨタ以外にザウバー、ケータハムに在籍した。
ちなみにホンダ系の元F1ドライバーでインディ500で2勝を挙げる佐藤琢磨はフォーミュラE、WEC、スーパーフォーミュラなどに出場経験があるが、ルマン24時間レースやNASCARは未経験だ。
可夢偉は9月で37歳。40代でも優勝できるインディ500への参戦チャンスは十分にある。NASCARでも最初はトヨタ系チーム以外から声がかかったという。インディカーでも熱烈なオファーをするチームが現れることを願うばかりだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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