3シーズン目の最終ラウンドを終えた日本発、世界初のダンス・リーグであるDリーグのアワードショーが22日、東京六本木のビルボードライブ東京で催された。◆22-23シーズン最後のチャンピオンシップは初出場のカドカワ・ドリームズが初優勝■MOST…
3シーズン目の最終ラウンドを終えた日本発、世界初のダンス・リーグであるDリーグのアワードショーが22日、東京六本木のビルボードライブ東京で催された。
◆22-23シーズン最後のチャンピオンシップは初出場のカドカワ・ドリームズが初優勝
■MOST FAV Dancerはタキ
この日、会場には全チームのダンサーがドレスアップをして集結し、いつもに増して華やかな雰囲気。
そして、この中からトータルで13アワードが各チーム、各ダンサーに贈られた。
まず最初に発表されたのが、MOST FAV Dancer。これはファンからもっとも「FAV(いいね)」を集めたダンサーに贈られるアワード。
これには、エイベックス・ロイヤルブラッツのジュンペイ、同ロイヤルブラッツのスグル、セガサミー・ルクスのタキ、同ルクスのヒナタ、そしてフルキャスト・レイザーズのKTRの5名がノミネートされていたが、このなかから今回、見事265832ポイントを集めてトップとなったタキに、Dリーグの神田勘太朗COOから同賞と賞金100万円が贈られた。受賞にあたり、タキは「今後のアーティスト活動も自分にしかできないことをつきつめて精進してゆきたい」と、歓びと共に抱負を語った。セガサミールクスは毎回会場からの声援もひときわ大きく、その人気を博していたが、もっともFAV=「お気に入り」のダンサーとして見事タキがトップに輝いたことはチーム自体の強さも少なからず影響していたと思われる。
そして注目のMOST FAV Teamに輝いたのもセガサミー・ルクス。
そのダンススキルもさることながら、各メンバーが醸し出す雰囲気が印象的なルクス。そしてルクスが届ける洒脱なナンバーの数々がしっかりとファンの心を掴んでのこの結果と言えよう。受賞にあたり、ディレクターのCanDo氏は「この受賞は一人一人が輝いたからこその、成果です」とチームメンバーを称えた。
続いて新たな3つのカテゴリー、1.ナイス・キャラクター、2.新人賞、3.ベストスキルの発表。
それぞれ1.バリュエンス・インフィニティーズのマコ、2.同じくインフィニティーズのセイヤ、3.ディップバトルズのケンセイが選ばれ、見事受賞と相成り、各ダンサーに賞金10万円が授与された。
続いて、パフォーマンスに使われる数々の楽曲のなかから、特に優れた作品に授与される賞であるミュージック・オブ・ザ・イヤーが発表された。これは、カドカワ・ドリームズがラウンド2で踊ったハッピーな楽曲「LOVE」が受賞し、プレゼンターの神田COOから賞金100万円が贈られた。楽曲が表彰されるというのも、Dリーグならではの新たな試みではあるが、やはり楽曲あってのダンス。「音があるから身体が動く」というダンサーにとって根源的な部分にフォーカスしていて、曲への感謝の大切さがあらためて深く心に刻まれることとなった。
そしてまた、Dリーグならではの、時代を写した新たな賞として、MOST NFT DANCERが発表。これは3月に発売された「Dリーグ22-23CS NFT」の保有者のみが参加出来る投票から選ばれるもので、またもやセガサミールクスから圧倒的な人気でタキが選出。
NFTにもしっかりと参加している真のDリーグのファンからの選出と言えるだろう。受賞にあたりタキは「この受賞で責任感が増しました。さらに日々精進してゆきたい」と歓びを語った。
■MVD OF THE YEARはタクミ
続くはDリーガー同士の投票で決まるMOST CREATIVE DIRECTORの発表。これには「チームを最も優れた独創的統率力で率いた」として、サイバーエージェント・レジットのディレクターFISH BOYが選出されプレゼンターの第一生命・北村弘明氏から賞金100万円が授与された。2週間ごとに1ナンバーを完成させるという過酷なスケジュールをチームがこなすにあたり、率いるディレクターの手腕は極めて重要である。このアワードの意義を強く感じる受賞であった。
その後はこちらも今シーズンより加わった下記4つの賞が発表され、“ダンスリーグ”としての特徴があらためて世に向けて示されることとなった。それぞれを下記に記す。
1.ベスト・アワード・ドレッサー/セプテニ・ラプチャーズ・ミウ 2.特に白熱した戦いに贈られるベスト・バウト/ラウンド11でエイベックス・ロイヤルブラッツとセガサミー・ルクスが繰り広げた5thマッチ 3.ベスト・シーズン・コスチューム/ラウンド5での全身“銀ピカ”の衣装が際立ったセガサミー・ルクス 4.ベスト・パフォーマンス/カドカワ・ドリームズのラウンド3のショー
なお、注目のMVD OF THE YEARには、サイバーエージェント・レジットのタクミが輝き、発表は幕となった。
Dリーグ開幕から3年。コロナ禍を乗り越え、DリーグもDリーガーも間違いなくその存在感を大きくしている。
神田COOは「コロナ禍に始まり、ダンスとは何かの答えを探した3年。今は、子供にとって、Dリーガーになりたいという夢ができた。ダンスをやる上での選択肢は色々あるが、その一番のものがDリーグとしてゆきたい」と熱く語った。同COOの「ダンスで世界を変えようとして生きている」という言葉には嘘偽りのない、強い意思がありありと感じられ、あらためて、この“Dリーグがある時代”に生きることの幸福を思わずにはいられない。
さらに、平野岳史CEOからも「スポーツであり、エンタメであり、カルチャーでもあるダンス。2024年のオリンピックでプレイキンが種目となることでますます盛り上がる。今後はJリーグ並みの規模を目指す」との力強いスピーチが届けられた。2021年にこの日本に出現した、ダンサーにとっての夢のような場が、さらに盤石なものとなってゆく未来が見え、Dリーグの今後のさらなる盛り上りを感じさせる良きアワードタイムを過ごすことができた。
ここからさらに、パリ・オリンピックへと続いてゆく大いなる軌跡を、ときめく期待感と共に見守ってゆきたい。
■AWARDS SHOW 一覧
MVD OF THE YEAR presented by ソフトバンク株式会社:CyberAgent Legit/TAKUMI MOST CREATIVE DIRECTOR presented by 第一生命保険株式会社:CyberAgent Legit/FISHBOY MUSIC OF THE YEAR:KADOKAWA DREAMS/PUSHIM &DA-Dee-Mix/LOVE MOST FAV DANCER:SEGA SAMMY LUX/TAKI TMOST FAV TEAM:SEGA SAMMY LUX BEST PERFORMANCE:KADOKAWA DREAMS/ROUND.3 BEST BOUT:avex ROYALBRATS VS SEGA SAMMY LUX(ROUND.11-MATCH.5) BEST SKILL:dip BATTLES/KENSEI 新人賞:Valuence INFINITIES/SEIYA NICE CHARACTER:Valuence INFINITIES/MAKO 3D BATTLE CHAMPION:SEGA SAMMY LUX MOST NFT DANCER:SEGA SAMMY LUX/TAKI BEST AWARDDRESSER:SEPTENI RAPTURES/MiYU
◆サードシーズンを制したCyberAgent Legitが圧巻のナンバーを披露 ラウンド12 前編
◆ラウンド11 Cyber Agent Legitがレギュラー・シーズンを制すが来たるチャンピオンシップを勝ち取るのは… 前編
◆うまいだけでは勝てない、ますます総合芸術の色合いを強めるDリーガーたち
著者プロフィール
Naomi Ogawa Ross●クリエイティブ・ディレクター、ライター
『CREA Traveller』『週刊文春』のファッション&ライフスタイル・ディレクター、『文學界』の文藝編集者など、長年多岐に亘る雑誌メディア業に従事。宮古島ハイビスカス産業や再生可能エネルギー業界のクリエイティブ・ディレクターとしても活躍中。齢3歳で、松竹で歌舞伎プロデューサーをしていた亡父の導きのもと尾上流家元に日舞を習い始めた時からサルサに嵌る現在まで、心の本業はダンサー。