今年4月に5校目となる野球塾「Amazing・ベースボールパートナー」を東京で開校 憧れ続けたプロ野球選手にはなれなかっ…
今年4月に5校目となる野球塾「Amazing・ベースボールパートナー」を東京で開校
憧れ続けたプロ野球選手にはなれなかった。それでも、もう一つの夢に向け、前進し続ているのが大阪桐蔭の元主将・廣畑実さんだ。現在は“ミノルマン”の愛称で野球指導YouTuberとして活躍し、今年4月には経営する野球塾「Amazing・ベースボールパートナー」が東京進出を果たした。野球塾としては珍しい全国展開を続ける理由を「日本野球のレベルを上げるため」と語る。
2021年に大阪でスタートさせた野球塾。わずか2年間で大阪2校、名古屋、熊本、東京と拡大させ、生徒数は400人を超えた。確かな指導力が評判を呼び、小中高のアマ選手、オフ期間にはNPBに所属するプロ野球選手も廣畑さんに教えを請うことがあるという。
これまで数多くの子どもたちに指導を行ってきたが「投手は別として打者のレベルは下がっているんじゃないかと思います」と指摘。「良い打者とそうでない打者の差が激しい。野球のあり方を変えていきたい」と力を込める。
投手は佐々木朗希(ロッテ)のように160キロを投げる選手が現れ、変化球の種類も圧倒的に増えている。年々レベルが高くなる投手に対して打者はどうなのか? 優勝したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも活躍した大谷翔平投手(エンゼルス)、吉田正尚外野手(レッドソックス)らは“別次元”として、「日本人のポテンシャルは他国に比べると負けている」と感じている。
“指導の質”に疑問符「もったいないと思うことはたくさんある」
骨格や環境の違いはもちろんあるが、根本的な“指導の質”にも問題があると見ている。全国各地の小学生の指導者を見てきた廣畑さんは「いまだにゴロを打て、叩け。『そんなスイングしてるなら試合に出さない』といった指導者がいる。子どもの時から可能性を狭めてしまっては良い選手は絶対に生まれてきません」と断言する。
「小学生もプロから学ぶ。思い切って振っていく姿、打つことの楽しさを覚える必要がある。指導者の中には『プロだからできる』という人もいますが、僕は逆だと思っています。小学生の時から技術、理論は知っておいて損はない。もっと良い選手になれるのに“もったいない”と思うことはたくさんあります」
教えてすぐに結果が出る子もいれば、時間がかかる子もいる。「プロの選手でも本物の技術を得るには3年かかると言われています。色んな情報があふれすぎていて、どんな練習したらいいか分からないという子が多い。継続することの必要性も伝えています。上手くいっている子にも必ず打てない時期はくる。そこをどう乗り越えていくか。小さい頃からたくさんの引き出しを持たせてあげるのも大切です」
廣畑さんは打撃技術を感覚だけで伝えるのではなく、明確な言葉と実際に“魅せる”ことで生徒たちの信頼を得てきた。一つの目標だった東京進出を果たし、今後も夏までに三重・四日市での開校を目指している。プレーヤーとしてはプロの舞台に立てなかったが“指導のプロ”として後進の育成に力を注いでいく。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)