中国の王(手前)を打ち破った早田(奥)。彼女の強さは海外メディアも高く評価された。(C)Getty Images 日本卓球界の新エースが快哉を叫んだ。 現地5月26日、南アフリカのダーバンで開催されている卓球の世界選手権の女子シング…
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中国の王(手前)を打ち破った早田(奥)。彼女の強さは海外メディアも高く評価された。(C)Getty Images
日本卓球界の新エースが快哉を叫んだ。
現地5月26日、南アフリカのダーバンで開催されている卓球の世界選手権の女子シングルス準々決勝で、日本の早田ひな(日本生命)が世界ランク3位の王芸迪(中国)を4―3で撃破。準決勝進出を決めて、日本勢では2017年の平野美宇以来となるメダル獲得を確定させた。
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文字通りの死闘だった。序盤は王のサーブや強烈な一打を前に苦戦を余儀なくされた早田だったが、第2ゲーム以降はサーブを軸に、緩急を使ったラリーで応戦。相手に主導権を握らせない。
もっとも王も世界ランク3位の地力を見せつける。早田が第6ゲームに8-5とメダルまであと3点に迫ったところで6連続得点を決めて逆転。さらに最終第7ゲームも8-5から再び追い上げられ、8-10と引っ繰り返すのだ。
それでも「最後は気持ちの勝負」と覚悟を決めた早田は、粘りに粘った。10-10と王に追いつくと、そこから一進一退の攻防を展開。9度ものマッチポイントを握られても土壇場で耐えしのいだ22歳は、ゲームポイント20-19としたところで相手のフォア側へバックドライブを炸裂。これが見事に王の逆を突いて、試合の終止符を打つ1点となった。
苦しかった。それも驚異的な粘りでもって名手を打ち破った早田。彼女の勝利には王の母国である中国メディアも賛辞と驚きの声を上げている。スポーツメディア『Sohu』は「我々は番狂わせを目の当たりにした」と銘打ったレポートを掲載。そのなかで「早田は幾度となく窮地に立たされようとも折れなかった」と日本のエースが見せた精神力の強さを絶賛した。
また、同メディアは「王は9度のマッチポイントを無駄にした。彼女にとっては大きな試練とも言える敗北だ」と母国の名手に手厳しい言葉を向けたうえで、「序盤に優位だった王がここまで動揺するとは誰も予想できなかった。早田の状態は尻上がりに良くなっていった」と試合を振り返っている。
卓球大国屈指の実力者を打ち破った早田は、来る準決勝で世界1位の孫穎莎(中国)と当たるが、「また一から頑張りたい」と前を向く。まさに勢いに乗る22歳には期待しかない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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