フルトン(左)と井上(右)。稀代のハードパンチャーによる対戦が再び注目を集めている。(C)Getty Images ファン待望のメガマッチがついに決定した。現地5月25日、米ボクシング興行大手「Premier Boxing Cham…

フルトン(左)と井上(右)。稀代のハードパンチャーによる対戦が再び注目を集めている。(C)Getty Images

 ファン待望のメガマッチがついに決定した。現地5月25日、米ボクシング興行大手「Premier Boxing Champions」は、来る7月29日にネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで、プロボクシングWBA、WBC、IBF世界ウエルター級統一王者のエロール・スペンスJr.(米国)と、WBOスーパー王者のテレンス・クロフォード(米国)が4団体統一戦を行なうと発表した。

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 ようやくの正式決定だ。プロ通算28戦無敗22KOのスペンスJr.は、圧倒的なパワーと強靱(きょうじん)なフィジカルを生かして闘う好戦的なサウスポー。一方のクロフォードは長いリーチを生かして変幻自在な闘いを得意とする戦士で、プロ戦績は39戦無敗(30KO)。互いに負け知らずで、規格外の強さを誇る両雄が対峙するのである。

 米スポーツ専門局『ESPN』が「歴史的な一戦になるのは間違いない」と煽るメガマッチだけに、両者への待遇も分厚い。それぞれ1000万ドル(約14億円)のファイトマネーが保証され、さらに全米に中継されるというPPVの売り上げに応じて上乗せされるのだ。

 ボクシング界屈指の実力を誇る両雄のマッチアップは、奇しくも同時期に行なわれる日本の怪物によるメガマッチもクローズアップさせた。7月25日に東京の有明アリーナで開催される井上尚弥(大橋)とスティーブン・フルトン(米国)によるWBC、WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチだ。

 米スポーツ専門サイト『Essentially Sports』は「クロフォードとスペンスJr.の対戦決定によりイノウエとフルトンのマッチアップに対する反応も広がった」と現地ファンの反響を交えた記事を公開。そのなかで4人の実力について「いずれもプロキャリアで無敗を誇り、素晴らしい技術とIQを発揮している」と絶賛し、井上とフルトンの対決にも大きな関心を寄せた。

「7月、それも同じ週にフルトンvsイノウエ、スペンスJr.vsクロフォードの試合が行なわれることに、ボクシング界は盛り上がっている。あるファンは『スペンスJr.とクロフォードの試合は晩年のメイウェザーとパッキャオのような試合であり、まさに最盛期にあるフルトンとイノウエの試合はより良いものになる』としている。そして我々は、新たに実現したスペンスJr.とクロフォードのマッチアップに負けないほど、フルトンvsイノウエはとてつもなく良い試合になると予想する」

 ボクシング界における真夏の2大決戦と言っても過言ではない先述の2カード。その注目度のなかで新階級での初陣に臨む井上がフルトンにいかに挑むのかを興味深く見守りたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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