羽生さんは様々な舞台を通じて人々の心に光を与えている(C)Getty Images「神回」と称賛する声が、SNS上から止むことはありません。 5月2日にテレビ朝日系で放送された「徹子の部屋SP」における、羽生結弦さんの登場回です。羽…

羽生さんは様々な舞台を通じて人々の心に光を与えている(C)Getty Images

「神回」と称賛する声が、SNS上から止むことはありません。

 5月2日にテレビ朝日系で放送された「徹子の部屋SP」における、羽生結弦さんの登場回です。羽生さんのサービス精神なトークとともに、徹子さんの聞き手としてのプロフェッショナルな力がスイングする、胸が躍る番組になりました。

【関連記事】羽生結弦の東京ドーム公演を生観戦 黒柳徹子89歳の本音を引き出す「現場力」の意味とは

 スポーツ紙のデスクはこう分析します。

「ゴールデンウィークのゴールデンタイムに放送されるわけですから、普段はフィギュアを見ない層も視聴するかもしれない。お二人はそこまで念頭に置いて、わかりやすく親しみやすいトークになるよう、気配りしている姿が印象的でした」

 例えば番組の冒頭。徹子さんはこんな問いを発します。

「回っていらっしゃるときに、目が回ることはないんですか?」

 これに対して羽生さんはこう回答しました。

「目は回ります、回ります(笑)。目が回っていても、普通に歩けるんですよ。そういう訓練をずっと、ちっちゃい頃からしているんで…。バラエティー番組で、バットをグルグルやるやつとか、あるじゃないですか。あれは問題なく…あれぐらいじゃ目は回らないかもしれないですね(笑)」

 前述のスポーツ紙デスクはこう言葉をつなぎます。

「このやりとりからは、世間一般の人々の純粋な疑問に答えていこうという、お二人のサービス精神がうかがえました。こんな問いを我々スポーツ専門メディアが普通のアスリートに発したら、人によっては怒らせることになるかもしれない(笑)。でも地上波テレビの一般視聴者にはおじいちゃん、おばあちゃんから子供まで様々な方々がいる。そういった人たちに『わかりやすく伝えていこう』という思いがにじんでましたね」

 しかし-。

 そんな羽生さんが地上波ゴールデンにもかかわらず、いきなり本音をぶっ込んだことが、結果的に番組の質を高めることになりました。

 それはこんな発言です。

「僕は自分も今、競技会の映像を見ている時に、まだまだ全然闘えたなって思うんですけど、フィギュアスケートって点数のために、勝敗のためにずっとやっていくんですけど、もっと表現したいことを…ジャンプだけじゃなくて、いろんなところで表現してみたりとか、そういったことを突き詰めるためには、プロに転向することが大事なんじゃないかなと思って、転向させていだだきました」

 前述のスポーツ紙デスクはこれを聞いて、心が震えたと言います。

「ハッピーでピースフルな地上波ゴールデンのひとときの中で、羽生さんの矜持が感じられた瞬間でした。昨年、競技会からの転身を『引退』とスクープするメディアもありましたが、この談話からはトップランナーとしてジャンルを背負い続け、そして今もなお心身を鍛えて芸術としての高みを目指す心意気が伝わってきました。このコメントを『徹子の部屋SP』で放つ羽生さん、センスありすぎです(笑)」

 氷上だけではなく、様々な舞台を通じて人々の心に光を与えるその生き方から、今後も目が離せません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【写真】話題騒然!「美しくも力強い」羽生結弦さんの単独アイスショー「プロローグ」の模様をお届け!

【関連記事】羽生結弦、謎のフレーズ「本妻プー」はなぜトレンド入りしたのか

【関連記事】羽生結弦がオヤジジャーナルを変えた 変貌するスポーツ紙の現在地