昨年のF1エミリアロマーニャGP(ⓒRedBull Content Pool) 5月19~21日に予定されていたF1第6戦エミリアロマーニャGP(伊イモラ)が現地周辺の豪雨災害の影響で中止となった。今季は史上最多の全24戦が組まれた…
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昨年のF1エミリアロマーニャGP(ⓒRedBull Content Pool)
5月19~21日に予定されていたF1第6戦エミリアロマーニャGP(伊イモラ)が現地周辺の豪雨災害の影響で中止となった。今季は史上最多の全24戦が組まれたが、1戦減の23戦で行われる可能性がある。このグランプリはヨーロッパラウンドの初戦という位置付けで、例年にならってアップデートされたパッケージを持ち込むチームが多いが、次戦モナコGP(28日決勝)に持ち越しとなった。
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2016年から年間20戦以上が定着し、慌ただしいシーズンが続いているが、新型コロナウイルスの感染が拡大した19年以降はレースの中止が相次いでいる。
ここまで21年、昨季の22戦が最多。パンデミックとなった20年は22戦を予定したが、開幕戦が7月に延期されるなどし、代替グランプリを含めて全17戦で実施。21年も日本GPなど環太平洋地域の5開催地が中止となった。昨季はロシアのウクライナ侵攻の影響でロシアGPが中止となり、1戦減の22戦で争われた。
そもそも全24戦を強行軍で実施することには反対の声もある。日本がF1ブームに沸いた1990年前後は年間16戦が定番。欧州以外のレースもブラジル、カナダ、日本、オーストラリアなどと少なく、予算が少ない弱小チームも参戦することができた。ペイドライバーと言われる持参金持ち込みの選手も参戦条件さえ満たせば、レギュラードライバーとして出場できる環境にあった。
しかし、全24戦となれば、消耗する部品を絶えず用意せねばならず、F1チーム自体の活動予算も膨らむ。ハースのようにレーシングマシンを壊し続けた2世選手のミック・シューマッハーのクビをあっさりと切るなど台所事情が火の車という陣営もある。
しかも、エミリアロマーニャGPが実施されていれば、モナコGP、スペインGPと3週連続開催となっていた。ドライバーや現場のF1チームスタッフにとっても心身ともにタフな3週間となっていたはずだ。8月には1か月近い夏休みを消化する決まりにはなっているものの、現場の過勤状態を解消する上でも総合的に妥当な判断だったといえそうだ。
F1運営会社のステファノ・ドメニカリCEOは中止の決定について「この非常なる惨事に対処する間、被災者の安全を担保し、彼らに余計な負担をかけないようにする必要がある。今回の決定は地元のコミュニティーとF1ファミリーのすべての人々にとって正当なものである」とコメントした。
ただ、過密日程のため代替グランプリを開催するのは難しそう。まずは22戦の壁を突破し、史上最多となる23戦を今季確保することが喫緊の課題のようだ。
[文/中日スポーツ・鶴田真也]
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