U-20ワールドカップが開幕した。日本代表はセネガル代表に1-0で勝利。この白星発進のポイントを、サッカージャーナリス…

 U-20ワールドカップが開幕した。日本代表はセネガル代表に1-0で勝利。この白星発進のポイントを、サッカージャーナリスト・後藤健生がつづる。

■大事な初戦白星

 U-20日本代表が白星発進に成功した。アルゼンチンで開幕したU-20ワールドカップ、グループリーグの初戦である。後半はセネガルの猛攻を受けたものの、日本は松木玖生のミドルシュートによる先制ゴールを守り切って1対0で勝利した。

 前半はキックオフ直後から素晴らしい内容でボールを支配。15分に松木玖生(FC東京)がミドルシュートを決めて先制した日本だったが、その後も押し気味に試合を進めながら追加点を奪うことはできず、逆に前半の30分以降はセネガルに深いボールを入れられ、また左右からのドリブルでも崩され、何度もピンチを迎えた。

 しかし、それでもチェイス・アンリ(シュツットガルト)と田中隼人(柏レイソル)のCBコンビ、そしてGKの木村凌也(日本大学)が粘り強く守り、なんとか松木の1点のリードを守り切った試合。内容的には“辛勝”だったが、こうした大会では(とくにその初戦では)結果こそが大事。コンディションをさらに上げて、コロンビアとの2戦目以降は内容的にもさらに安定した試合を見せてもらいたいところである。

■ゴールの起点となったパスカット

 セネガル戦の前半の入り方は素晴らしかった。

 この日の日本の布陣で目を引いたのは、右サイドバックとして屋敷優成(大分トリニータ)ではなく高井幸大(川崎フロンターレ)を起用したことだった。セネガルは両サイドアタッカー、とくに左(日本の右)サイドのサンバ・ディアロが最大の攻め手だったが、そのサンバのサイドを守備力のある高井で封じようという意図だったのだろう。

 前半の途中までは左サイドバックの高橋仁胡(FCバルセロナ)は高い位置まで進出して再三攻撃に絡んだが、高井は“専守防衛”に徹した。

 ただ、高井は本来はセンターバックの選手だけに、ドリブルへの対応は難しそうだったし、高井が攻撃をサポートする回数が少なかったため、右サイドハーフの永長鷹虎(川崎)は孤立してしまい、テクニックを発揮できず、前半だけで交代となってしまった。

 従って、日本の攻撃は左サイドが多くなった。

 9分にはCKからつないで福井太智(FCバイエルン・ミュンヘン)の入れたクロスにCFの熊田直紀(FC東京)が、11分にも流れの中から佐野航大(ファジアーノ岡山)からのクロスに松木がそれぞれ頭で合わせたが、熊田のシュートはGKの正面を突き、松木のシュートは右ポストをかすめた。

 しかし、15分には相手のクリアボールを高井がカットしたところから、永長、福井、そして松木と素早く横パスを通して展開。この横の展開に対してセネガルの守備陣がうまくスライドできず、DFのポジショニングがズレて松木の前に大きくシュートコースが開いた。そして、松木がこれを見逃さず、左足でゴール右下隅に突き刺した。

 日本は前線からしっかりと相手にプレッシャーをかけ、中盤でボールを奪ってからすぐに展開してチャンスを作る狙い通りの攻撃ができていたが、前半のうちに追加点を奪うことができなかった。

■万全ではないコンディション

 ラプラタのディエゴ・アルマンド・マラドーナ・スタジアムのピッチはかなり荒れていて、芝目もかなり長かった。そのため、ボールの動きが変わりやすく、またパススピードが殺される状態だった。だが、こうしたピッチ・コンディションの中でも日本の選手たちはしっかりとパスをつなぐことができた。このあたりは若い世代の選手の頼もしさである。

 だが、時間とともに日本の選手の動きが次第に悪くなっていく。21分にはサンバの仕掛けからゴールを割られてしまうシーンがあり、ここはVARが介入してスレイマニ・ファイェのオフサイドでゴールは取り消され、日本は窮地を救われた。

 しかし、その後、セネガルの選手の動きが良くなり、またパススピードも上がってきた。

 また、日本の選手が疲労のために足が止まり、後半45分間も守備に追われる展開となってしまった。

 柔らかい芝生でスタミナを消耗したのも一つの原因だろうし、もともとコンディションは万全でなかったのだろう。

 ブエノスアイレスに到着してから9日が経過していたが、南半球のアルゼンチンと日本の間には12時間の時差があり、羽田空港を出発してからブエノスアイレスのエセイサ空港に到着するまで乗り継ぎを含めて30時間という長距離移動を強いられたのだ。

いま一番読まれている記事を読む