U-20ワールドカップが開幕した。日本代表はセネガル代表に1-0で勝利。この白星発進のポイントを、サッカージャーナリス…
U-20ワールドカップが開幕した。日本代表はセネガル代表に1-0で勝利。この白星発進のポイントを、サッカージャーナリスト・後藤健生がつづる。
■ハイレベルなグループ
日本が入ったグループCはかなりハイレベルのグループとなった。
初戦で対戦したセネガルはアフリカU-20ネーションズカップで全勝優勝した国であり、イスラエルは初出場ながらU-19欧州選手権で決勝進出を果たしている。そして、コロンビアは地元開催の南米ユース選手権で3位だが、なにしろ南米勢として準ホームで戦える“地の利”があるのだ。いつの大会にも大勢のサポーターを送り込むコロンビアだけに、今大会でもコロンビアのホームのような雰囲気になることだろう。
ただ、年代別の大会は、本大会に向けてどのようなチームを編成できるかなど、不確定要素も大きく、しかもグループリーグでは中2日の3連戦。その時のチーム状態など些細なことで勝負は決まってくる。
日本としてはうまくターンオーバーを行いながら勝利を積み重ねていきたいところだ。最良のシナリオとしては、2戦目(5月24日、日本時間同25日)でもコロンビアに勝利してグループリーグ突破を決めてしまうことだ。そうすれば、最終のイスラエル戦では休ませたい選手を休ませることができる。
■乗り越えたい「壁」
日本の最初の目標はグループリーグ突破とその先のラウンド16を突破して準々決勝に進出することだ。
昨年のカタール・ワールドカップでも日本代表はラウンド16でクロアチアにPK負けを喫してベストエイト進出に失敗した。
その他、日本は男女の各カテゴリーのワールドカップやオリンピックにすべて出場しており、すべての大会でグループリーグを突破しているが、そのほとんどでノックアウトステージ初戦(ラウンド16もしくは準々決勝)で敗れている。
4年前にポーランドで開催されたU-20ワールドカップでも、順調にグループリーグを突破した日本だったが、ラウンド16で韓国と対戦。90分にわたってゲームを支配したものの、韓国の長身FW呉世勲(オ・セフン=現清水エスパルス)の“一発”で準々決勝進出を阻まれている(同大会で韓国は準優勝)。
アルゼンチンがかつてこの大会で6度優勝し、それをフル代表の強化に結びつけたと同じように、日本のサッカーにとってもU-20ワールドカップは重要な大会だった。
1979年の第2回大会では日本は開催国となった。
1968年のメキシコ・オリンピックで銅メダルを獲得した日本だったが、その後は代表の強化が進まず、オリンピック予選でも敗退を繰り返していたし、アジア・オセアニア枠が「1」だった当時のワールドカップでは予選突破など夢のまた夢だった時代だ。
そんな日本のU-20代表は、開催国として世界大会に出場するという貴重な機会を得たのだ(水沼貴史などを擁する日本代表は結局グループリーグ最下位に終わった)。
■「新しい景色」を目指して
1993年にJリーグが開幕してからは、日本はフル代表も年代別代表もアジア予選を突破して世界大会に出場するようになる。
1995年のワールドユース選手権(カタール)では中田英寿のいたU-20日本代表は準々決勝に進出(16か国参加だった当時はラウンド16はなかった)。ブラジルに惜敗している。
次の1997年大会(マレーシア)でも日本は2大会連続でグループリーグを突破。ラウンド16でオーストラリアを破ってベスト8に進出。そして、準々決勝でガーナと対戦して延長戦の末に1対2で惜敗した。
そして、1999年ナイジェリア大会ではいわゆる「黄金世代」で固めた日本代表は、グループリーグを突破するとラウンド16でポルトガルにPK勝ち。その後、メキシコ、ウルグアイを連破して、FIFA主催の世界大会で史上初めての決勝進出を果たした(決勝ではシャビ・エルナンデスらがいるスペインと対戦。GK南雄太のオーバーステップでFKを取られていきなり失点。エース小野伸二を出場停止で欠く日本は0対4で完敗した)。
先ほども述べたように、最近の日本はほとんどすべてのカテゴリーのワールドカップでグループリーグを突破している。しかし、その先の壁が大きいのが実情である。
U-20ワールドカップ(ワールドユース選手権)は、日本にとってこれまで何度も“新しい景色”を最初に見せてもらってきた大会だ。アルゼンチン大会でも、まずはラウンド16を突破して、その後は再びまったく“新しい景色”つまり優勝を目指して戦ってもらいたいものだ。