英国とアイルランドの一流選手を集めて4年に一度結成されるドリームチームが意地を見せた。 ニュージーランドに遠征中のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズは7月1日、ウェリントンのウエストパック・スタジアムで世界ランキング1位のオールブラ…

 英国とアイルランドの一流選手を集めて4年に一度結成されるドリームチームが意地を見せた。
 ニュージーランドに遠征中のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズは7月1日、ウェリントンのウエストパック・スタジアムで世界ランキング1位のオールブラックス(ニュージーランド代表)と対戦し、24-21で逆転勝ちした。ライオンズがオールブラックスを倒したのは1993年のツアー以来、6試合ぶり。今回のテストマッチシリーズは、第1戦はオールブラックスが制しており、これで1勝1敗となった。両チームの誇りと威信をかけた戦いは、7月8日にオークランドでおこなわれる最終戦で決着がつく。

 前半は激しい雨のなかでおこなわれ、互いにPGで得点を重ねた。
 オールブラックスにとって痛かったのは、前半24分、キープレーヤーのひとりであるCTBソニービル・ウィリアムズが危険なタックルでレッドカードを提示されてしまったこと。相手WTBアンソニー・ワトソンの顔にショルダーチャージをしてしまい、一発退場。チームは残り56分間を14人で戦わなければならなくなった。

 それでも、オールブラックスは辛抱強くプレーし、9-9で折り返すと、後半の序盤にPG2本成功でリード。
 逆に、しびれを切らし規律を乱したのはライオンズの選手で、55分(後半15分)、PRマコ・ヴニポラがイエローカードをもらい、数的な有利・不利は一時なくなった。

 57分にも相手にショットを許し、9-18と9点差をつけられてしまったライオンズ。しかし、59分に初トライを挙げ、流れを引き戻す。敵陣でのラインアウトから展開してWTBワトソンがゲイン、22メートルライン内に入ってからもテンポよくボールを動かし、大外にいたNO8タウルぺ・ファレタウがタックラーを振り切ってゴール左隅に飛び込んだ。

 その後、オールブラックスに7本目のPGを決められ、7点を追うこととなったライオンズだが、68分、HOジェイミー・ジョージがショートパスを受けてからの突破でチャンスメイクし、ブレイクダウン後、SHコナー・マレーがラックサイドを突いてゴールに持ち込み、トライ。CTBオーウェン・ファレルのコンバージョンキック成功で、21-21と追いついた。

 勢いに乗り、敵陣で攻めるライオンズ。
 そして77分、黒衣の18番をつけたPRチャーリー・ファウムイナが空中の相手選手にタックルしてしまい、反則をとられ、ライオンズのファレルがPG成功で勝ち越し。これが決勝点となり、オールブラックスをノートライに抑えたライオンズが激闘を制した。

 これで1勝1敗となり、次がラストマッチ。
 ちなみに、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズは4年前のオーストラリア遠征ではテストシリーズを2勝1敗で制している。ニュージーランド遠征にかぎっては一度だけ、1971年のツアーで勝ち越しており、それ以来の歓喜を狙う。