富山・氷見は21世紀枠で今春選抜に出場覇者・山梨学院に初戦で敗れた 軟式からでも甲子園を目指せる。富山の中学生に夢や希望…
富山・氷見は21世紀枠で今春選抜に出場…覇者・山梨学院に初戦で敗れた
軟式からでも甲子園を目指せる。富山の中学生に夢や希望を与えたのが、今春の選抜高校野球大会に30年ぶり出場を果たした氷見高だ。部員17人中、7人が中学軟式野球の強豪・氷見北部中出身だった。同中学を全国大会の常連に育て上げた田村剛監督(現・氷見西條中)の教え子たちだ。
氷見高OBの田村監督は大学まで野球を続け、卒業後は氷見市内の中学校で28年間に渡って指導。氷見北部中を県5連覇、全国大会3位に導くなど、全国屈指の強豪に仕立て上げた。これまでの教え子は3000人超。その中に母校“再建”に力を尽くした生徒がいるという。
氷見北部中の名がとどろいたのは、今春の選抜高校野球大会。部員17人ながら昨年秋の富山大会で優勝し、北信越大会で8強入り。21世紀枠で30年ぶりの甲子園出場を果たした。大会では、優勝した山梨学院と初戦で対戦。善戦したものの1-4で敗れた。
田村監督はOBとして「子どもたちが甲子園の舞台を経験できたのはうれしい」と喜ぶ。そして「氷見を復活させたのは、引退した生徒の存在が大きかった」と語る。
前主将・河原新之助さんは県外強豪校から誘い受けるも地元に残った
昨夏の富山大会。高岡商との決勝戦で、氷見は9回2死までリードしながら敗れた。このチームで主将を務めたのが河原新之助さん。北部中で全国大会3位に輝き、県外の強豪校から誘いを受けたが、地元の氷見に進学した。
両親や周囲も反対したというが、「アイツらしい。地元で応援されて甲子園に行くと決断しました。苦しい思いもしましたが、氷見の歴史を変えたのは彼の力だと思います」と田村監督は語る。
河原さんの思いに共感し、氷見北部中から他に6人が氷見高に進学。新たな道を切り開く“先輩”の姿を追いかけ、その後も多くの有望選手が地元に残った。
河原さん自身は夢だった聖地にあと一歩届かなかった。しかし、夢を託した後輩たちが、甲子園への道を切り開いた。河原さんの「選択は間違っていなかった」と田村監督は拍手を送る。「まだゴールでも何でもない。氷見高校もこれからが大事。伝統を子どもたちが作っていってほしいですね」。
選抜大会後の春季富山大会で、氷見高は4強入り。しっかり足跡を残した。歴史を変えた氷見の新たな挑戦が始まる。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)