「X Games Chiba 2023」BMXフリースタイル ストリート種目がZOZOマリンスタジアム(千葉県千葉市幕張)にて大会最終日の2022年5月14日(日)に開催され、オーストラリアのボイド・ヒルダー選手が自身2回目のX Games…

「X Games Chiba 2023」BMXフリースタイル ストリート種目がZOZOマリンスタジアム(千葉県千葉市幕張)にて大会最終日の2022年5月14日(日)に開催され、オーストラリアのボイド・ヒルダー選手が自身2回目のX Games出場にして初の金メダル獲得。銀メダルにはナイジェリアのコウレッジ・アダムス選手、銅メダルにはアメリカ合衆国のギャレット・レイノルズ選手という結果となった。

決勝ではスケートボードストリート種目と同じ、階段や手すりなど街中の人工物を模したセクションが用意されたコースを使用。招待選手8名により45秒間のランを2本走行した後、良い得点のランが採用されるベストラン方式で争われた。

元々は競技ではなくライダーたちが自身の楽しみやチャレンジを写真や映像作品などに残すために、街中の人工物を使ってトリックをすることが起源となっているストリート種目。繰り出すトリックの難易度はもちろんなのだが、用意されたセクションをどう使って観客を沸かせるかも大事になるのでとりわけ個性的なライディングが重視されている。

いまだ日本人選手が出場できていないこの種目だが日本国内にも有望な選手が多くいるので、彼らがこのX Gamesの舞台で海外選手たちをビックリさせるようなライディングを魅せる日もそう遠くないだろう。

以下は、今大会入賞選手3人の大会リポート。

前回王者ルイス・ミルズの欠場により、参加を決めたボイド・ヒルダーが1本目からトップの座を守りきり金メダル獲得。


ボイド・ヒルダーのライディング
photograph by Brett Wilhelm/X Games

今回金メダルを獲得したのは「CHIMERA A-side Final」などでよく日本に来ることで、日本人には馴染みの深いスタイリッシュなライディングが特徴のボイド・ヒルダー(オーストラリア)。実はヒルダーはX Games自体は今回が2回目の出場となる。

とにかくセクションを大きく使うライディングをする彼は、ラン1本目から自身の強みをふんだんに披露。
その中でも特に会場を沸かせたのがクオーターからジャンプして寺社をモチーフにしたやぐらへ「ウォールライド」を決め込み「バースピン」で抜けるライディングと、もう一つは日の出をモチーフにしたレッジでホイールをコース外にはみ出しながら「ダウンサイドダブルペググラインド」だ。


ボイド・ヒルダーのダウンサイドダブルペググラインド
photograph by Brett Wilhelm/X Games

それ以外のトリックも「トゥースピックグラインドからのレールオーバー」や「バースピン to フィーブル to 360 アウト」など見事なバリエーションのトリックを魅せ、第一出走者にもかかわらず優勝圏内の89.33ptを叩き出した。

そしてラン2本目では金メダルを確実にするライディングを披露。基本的なランの構成は1本目と変わらないものの、1本目でメイクしたやぐらへの「ウォールライド」から「バースピン」での戻りを「テールウィップ」に変えるという大技を繰り出した。


ボイド・ヒルダーのウォールライドからのテールウィップ
photograph by Brett Wilhelm/X Games

ただでさえ高い位置への「ウォールライド」は、姿勢が壁に対してほぼ垂直になるために戻るだけでも難しいにも関わらず、その不安定な姿勢からフレームを1回転回す「テールウィップ」を取り入れたのだ。その後もノーミスでライディングをまとめて自分のオリジナリティを発揮したランで92.66ptへ得点を更新し見事金メダルを獲得した。


ボイド・ヒルダーと優勝を分かち合う仲間たち
photograph by Brett Wilhelm/X Games

そんな中でが印象的だったのはボイドを終始応援していた仲間たちの「Boyd #1」という手書きの応援ポスター。その応援の効果も相まって望み通りの結果に繋がったのだろう。


コウレッジ・アダムスのライディング
photograph by Brett Wilhelm/X Games

準優勝はナイジェリアのコウレッジ・アダムス(ナイジェリア)。アダムスの特徴はなんと言っても並外れたバランス力だ。決勝ラン2本を通して彼の「ノーズマニュアル」と「マニュアル」のスキルが光り、クオーターから「バースピン」で飛び乗りそのままやぐらの周りを長い「マニュアル」で繋ぎギャップでの「バースピンアウト」も印象的だった。そういったスキルの高さも評価され80.00ptで1本目を終えた。

そして暫定4位で迎えたラン2本目では、1本目のランでもメイクした中央のハンドレールでの「180 to クルックドグラインド to 180アウト」や、ギャップから飛び出した先のダウンレールへの「バースピンからのアイスピックグラインド」の完成度を上げていく。


コウレッジ・アダムスのライディング
photograph by Brett Wilhelm/X Games

また、得意技のマニュアルを使ったトリックでは「ノーズマニュアル」のみでやぐらの周りを大きく回りギャップでの「バースピンアウト」、終盤には「バースピンtoマニュアル」でやぐらの周りを大きく回りギャップで「360アウト」と自分の強みを100%活かしたランで2位に浮上。銀メダルを獲得した。

3位は今までにX Gamesで15個の金メダルを獲得し、前回の千葉大会では3位と悔しい思いをした絶対王者ギャレット・レイノルズ(アメリカ合衆国)。
どんなセクションでも確実に決める「テールウィップ」と様々なレールトリックを魅せる彼は、ラン1本目では中盤でトライしたやぐら横のレールを跨ぐような形で滑る「トゥースピックグラインド」でスリップダウンし得点を56.33ptとした。


ギャレット・レイノルズのライディング
photograph by Jason Halayko/X Games

そして優勝するにはヒルダーの92.66ptを超えないといけないというプレッシャーがかかる中で挑んだラン2本目では、コース中央の14段のステアを「540」でドロップオフしてランをスタート。その後様々なセクションでの「テールウィップ」や、やぐら横のレールに飛び乗り「レールライドからダブルバースピンアウト」、1本目ではミスをしたやぐら横のレールを跨ぐ形で滑る「トゥースピックグラインド」もメイク。

そこからの「ダウンレールで180 to トゥースピックグラインドto 180アウト」も見事に決めるなど回転系とレールトリックの複合技をメイクしていきフルメイクでランを終えるも、得点はヒルダーとアダムスには届かない87.00pt。今回も昨年同様に惜しくも銅メダルとなり16個目の金メダル獲得とはならなかった。

大会結果


左からアダムス、ヒルダー、レイノルズの順
photograph by Brett Wilhelm/X Games

優勝 ボイド・ヒルダー / オーストラリア
準優勝 コウレッジ・アダムス / ナイジェリア
3位 ギャレット・レイノルズ / アメリカ合衆国 
4位 デボン・スマイリー/ アメリカ合衆国
5位 ケビン・ペラザ / メキシコ
6位 フェリックス・プランゲンバーグ/ ドイツ
7位 ブロック・レイフォード/ アメリカ合衆国
8位 アレックス・ドンナチー / イギリス

大会概要

⼤会名称 : 【X Games Chiba 2023】 
開催期間 : 2023年5月12日(金)~14日(日)- 3日間 – 13日(土)は雨のため中止
※詳細は公式HPをご覧ください。
大会会場:ZOZOマリンスタジアム (千葉県千葉市美浜区美浜1)
主催:X Games Japan組織委員会(株式会社XGJ、株式会社イープラス、株式会社ライブエグザム、株式会社CB、株式会社J-WAVE)主管:千葉市
後援:千葉県、一般社団法人ワールドスケートジャパン、一般社団法人日本スケートボーディング連盟、一般社団法人全日本フリースタイルBMX連盟、一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会、一般社団法人TEAM JAPAN MX PROJECT、Bayfm
協賛:Monster Energy、HUF、INSTYLE GROUP、X-mobile、ムラサキスポーツ
協力:X Games Japan 千葉後援会、読売新聞社

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