星野一樹と中嶋一貴が共闘する。(写真提供/星野=NISMO、中嶋=トヨタ自動車) 自動車レースのスーパー耐久シリーズに参戦するチームインパルが4人の「カズキ」を起用し、5月27~28日の第2戦「富士スーパーテック24時間レース」(静…

星野一樹と中嶋一貴が共闘する。(写真提供/星野=NISMO、中嶋=トヨタ自動車)

 自動車レースのスーパー耐久シリーズに参戦するチームインパルが4人の「カズキ」を起用し、5月27~28日の第2戦「富士スーパーテック24時間レース」(静岡・富士スピードウェイ)に出場することになった。

 チーム代表を兼務する星野一樹に、平峰一貴、大木一輝のカズキトリオに、田中優暉を加えた4人が「日産Z GT4」を操って開幕戦を戦ったが、24時間レースとなる第2戦に向けて、元F1ドライバーで現在はトヨタガズーレーシングヨーロッパ(TGR―E)で副会長を務める中嶋一貴を招聘することに成功。中嶋一貴はトヨタ系のドライバーでもあり、日産のマシンに乗り込むことは異例中の異例だ。

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 チームは起用の経緯について「モータースポーツを盛り上げる一助となればと、星野一樹がツイッターで中嶋一貴氏に呼び掛けた事がキッカケではありましたが、それを知った中嶋一貴氏が是非一緒に!と、快諾してくださいました」と説明した。

 日本のモータースポーツでは主要ドライバーはメーカーと契約を結ぶことが多く、メーカーの垣根を越えて、他社のマシンに乗るケースは非常に珍しい。中嶋一貴もトヨタ製エンジンが搭載されないマシンでレースに出場するのは2007年のGP2(現・F2)以来、16年ぶりだ。

 中嶋一貴もツイッターで「4人目のKAZUKIです、よろしくお願いします 今回の参戦を快諾してくださった皆さまに感謝 いろんな垣根を越えて一緒にモータースポーツを盛り上げていけることにワクワクしております 2005年以来のS耐ですが、出る以上は全開で走りますので応援よろしくお願いします」と意気込みを語った。

 インパルは日産系のチームとしてなじみ深いが、実はトヨタとも縁がある。スーパーフォーミュラにはトヨタ製エンジンで参戦しており、今季もトヨタ系の関口雄飛、平川亮の2人をレギュラーに起用している。

 星野一樹の父は「日本一速い男」の異名を取った星野一義氏。中嶋一貴の父で日本人初のフルタイムF1ドライバーとなった中嶋悟氏とは現役時代から永遠のライバルという関係でいるが、1977年の全日本F2000、全日本F2に刷新された78年と名門ヒーローズレーシングでチームメート同士だった。

 中嶋悟氏もF1時代を含めてホンダ色が強いイメージがあるが、F1デビューする直前の1985、86年にはトヨタ系のチームトムスで仏ルマン24時間レースに出場した経歴がある。

 二世代にわたってモータースポーツ界を引っ張る中嶋一貴、星野一樹の「Wカズキ」がそろって表彰台に立つシーンも見られるかもしれない。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

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