「マイナビ Japan Cup 名古屋大会」BMXフリースタイル・フラットランド種目がオアシス21銀河の広場 (愛知県名古屋市)にて、2023年5月6日(土)~7日(日)の2日間に渡り開催され、男子エリートは片桐悠選手が、女子エリートは宮嶋…
「マイナビ Japan Cup 名古屋大会」BMXフリースタイル・フラットランド種目がオアシス21銀河の広場 (愛知県名古屋市)にて、2023年5月6日(土)~7日(日)の2日間に渡り開催され、男子エリートは片桐悠選手が、女子エリートは宮嶋歩菜選手が優勝を収めた。
2023年シーズン開幕戦となった今大会には全国から年齢問わず国内トップクラスのBMXライダーたちが集まり、エリート・アマチュア含め全10カテゴリーにてハイレベルな戦いが繰り広げられた。
そして会場となったのは先週に同競技のパーク種目も開催された愛知県名古屋市の「オアシス21 銀河の広場」。空中に浮かぶガラスの大屋根「水の宇宙船」がシンボルで、名古屋市を象徴する観光名所のトップ10には常に入ってくる大会開催にはもってこいの場所に大会用のステージが設置された。
選手たちを応援する観客の姿
当日はゴールデンウィーク最終日で雨が降りしきるも、屋根付きの会場で無事に開催。観光客や通りすがりの方も気軽に観戦できるオープンなスペースであったこともあり、たくさんの観客が足を運び、世界最高レベルと言われる国内トップライダーたちの高難度なルーティンとそのトリックの数々に目を奪われた。大会の模様はJFBF公式Instagramにてリアルタイムで視聴可能なライブ放送で配信された。
以下は、今大会注目のエリートクラス決勝の大会リポート。
男女ともに優勝者は新たな顔ぶれ。男子エリートは片桐悠が大会初出場初優勝。女子エリートでは宮嶋歩菜がエリートカテゴリー初出場初優勝。
男子エリートクラス決勝は、参加選手15名の中から前日の予選を勝ち上がった上位8名にてよって争われた。今回は昨年度JFBFシリーズランキング第1位の早川起生は不在だったものの、 現世界チャンピオンの佐々木元、ワールドカップで好成績を残した伊藤真人や荘司ゆう、そして昨年の「CHIMERA A-SIDE FINAL」で優勝した片桐悠が本大会に初参戦などと、国内のみならぬ世界最強ライダーたちと言っても過言ではない顔ぶれが集まった。
男子エリートクラス
優勝した片桐悠
そんな戦いを制し今回優勝を勝ち取ったのは片桐悠(所属:GLOW) 。リアトリックを中心に繰り出される正確無比な高難度の動きが特徴的な彼が今回この「マイナビJapan Cup」シリーズに初参戦し見事なライディングを魅せた。
片桐悠のライディング
様々なスピンを交えるルーティンの中でもバイクをスイッチさせる動きはピカイチ。スイッチの際に身体から遠いポイントを狙うほど高難度になるのだが、高いバイクコントロール力でバイクを回して持ちかえて難しい体勢からのスピンは圧巻だった。今では彼の代名詞でもある寸分の狂いもない見事な「バイクフリップ」も後押しして、終盤のスリップダウンのミスもカバーし今大会にて唯一の90点台である91.25ptをマーク。
世界大会の実績も多く持つ彼が強さを見せつけ今シーズン最高のスタートを切った。なお片桐は今週末に開催される「X Games Chiba 2023」へ出場予定だ。
準優勝したのは荘司ゆう
準優勝は近年力を付けて世界を舞台に活躍しているテクニシャンで実力者の荘司ゆう。ライディング中にジャンプしながらフロントタイヤとリアタイヤを自由自在に行き来し、軸を変える「トランスファー」という技術に高い定評を持つ彼は、今回もハイスピードのランの中でツーフットの「タービン」や、「エルクグラインド」からのスピンを交えながら見事なトランスファーを何度もメイク。
荘司ゆうのライディング
ライディングの終盤には「ブーメラン」という高難度スピントリックを2回転。1回転回ったところから気合いの2回転目には観客やライダーたちからも歓声が湧いた。見事パーフェクトランでまとめ88.75ptをマークし準優勝となった。
3位入賞した伊藤真人
3位は昨年の世界選手権で銀メダルを獲得した伊藤真人(所属:GETIT BMXスクール)。自身で「GETIT BMXスクール」というBMXスクール運営をしながら、選手としても世界で大活躍し幅広く国内のBMXフラットランドシーン拡大に貢献している彼。
伊藤真人のライディング
ランでは、ステージを広く使ったフロントトリックの「ウィップラッシュ」 でどんどん加速していきリアトリックにスイッチ。様々なスピントリックでルーティンを繋ぎながら自身の得意技で正確なペダルキャッチが特徴的な「ディケイド」を組み込んだライディングを展開。ラン終盤で魅せたマニュアルで何度も切り返し加速した後の難しい体勢からのディケイドのメイクにMCも声を上げる見事なルーティンだった。そんなランは85.50ptの評価で3位入賞となった。
女子エリートクラス
一方、女子エリートクラスは元世界チャンピオンを始め世界最高峰で戦うベテラン勢と今回初めて本カテゴリーに出場する若手が一堂に会し、計6名で2023年シーズン開幕戦での熾烈な戦いが繰り広げられた。
エリートクラス初出場で初優勝した宮嶋歩菜
そして今回、世界での入賞経験のある選手たちを抑えて優勝したのはなんと女子エリートクラス初出場で弱冠14歳の宮嶋歩菜(所属:大館市立比内中学校)。スピーディーなライディングの中に組み込まれたハイレベルなトリックが特徴的な彼女は「ヒッチハイカー」から「バイクジャグリング」、そして「マックサークル」などを繋ぎ40秒間のロングルーティンを一発目に披露。
宮嶋歩菜のライディング
その後はフロントタイヤの「スカッフ」からのスピン系トリック等へ展開。ハイレベルなルーティンでまとめたライディングは88.50ptの評価、他選手を大きく突き放し女子エリートクラス初出場初優勝という快挙を残した。
準優勝した現日本チャンピオン中川きらら
準優勝は昨年の世界選手権で3位入賞し、現日本チャンピオンである中川きらら(所属:佐賀県立佐賀東高等学校)。様々なトリックを組み込んだロングルーティンを特徴とする彼女は、「ビックスピン」や「マックサークル」、フロントタイヤの「スカッフ」からのトリックを魅せた。今回はミスも目立ちポイントを伸ばすことができず79.00ptとしたが日本チャンピオンの力を見せ、準優勝で今シーズン開幕戦を終えた。
中川きららのライディング
3位は最近復帰した元世界チャンピオンの経験もある石﨑光紗季。長年日本の女子BMXフラットランドシーンを牽引してきたベテランライダーの出場に観客以上に選手たちが盛り上がっている様子がうかがえた。石﨑は他の選手とは異なりゆっくりとしたスピードでトリックを展開するルーティンが特徴。実は遅いスピードで高難度トリックをメイクするのは普通のスピードよりも難易度が高い。
3位は世界王者経験もある石﨑光紗季
今回のランでは基本的に後ろ向きに進むバックワーズの動きを起点としたフロントトリックで構成。バックワーズの状態からフロントタイヤの「スカッフからハーフ・バースピン」や、同じ姿勢からフレームを2回転させる動きなど彼女だからできるトリックをふんだんに詰め込んだライディングでスコアを78.00ptにして久しぶりの大会で3位入賞という好成績を残した。
石﨑光紗季のライディング
今大会を通して感じたことは若手の台頭を始め、新たな顔ぶれが多いことだった。2023年はBMXフラットランドシーンにとっても新時代が始まる予感を感じられた。週末に開催される「X Games Chiba 2023」での本種目の戦いを含め、今年もこの国内でBMXフラットランドシーンがネクストレベルに突入していく様子に注目していきたい。
優勝者コメント
優勝した宮嶋と片桐
片桐 悠 選手(男子エリートクラス)
「優勝するつもりで参加しました。ミスもありましたが、その後リスクの高い技でリカバリーできてよかったです。今年はこの優勝をきっかけに、X GAMES や全日本選手権などで1位を取り続けたいと思っています。 」
宮嶋 歩菜 選手(女子エリートクラス)
「まさか優勝できると思っていなかったのでびっくりしています。今後は強化指定や世界チャンピオ ンも目指していきたいですが、まずは大会で自分のやりたい技を決めて、会場を盛り上げられたらいいなと思っています。 」
大会結果
左から荘司、片桐、伊藤
<男子エリート>
優勝: 片桐 悠 (カタギリ ・ユウ) / 91.25pt
準優勝: 荘司 ゆう (ショウジ・ユウ) / 88.75pt
第3位: 伊藤 真人 (イトウ・マサト) / 85.50pt
左から中川、宮嶋、石﨑の順
<女子エリート>
優勝: 宮嶋 歩菜 (ミヤシマ・アユナ) / 88.50pt
準優勝: 中川 きらら(ナカガワ・キララ) / 79.00pt
第3位: 石﨑 光紗季 (イシザキ・ミサキ) / 78.00pt
<キッズ6アンダー>
優勝: タカギ ・ケンセイ / 50.00pt
準優勝: カイ・ニチカ / 40.00pt
<ガールズロー>
優勝: カドイ・ヒマリ / 55.00pt
準優勝: マエダ・ユイ / 53.00pt
第3位: ヒラノ・カンナ / 49.00pt
<ボーイズ7-9>
優勝: トダカ・ヤマト / 56.67pt
準優勝: カドイ・アタル / 52.00pt
第3位: サトウ ・ジョウジ / 48.00pt
<ボーイズ10-12>
優勝: カナモト・リュウヤ / 74.33pt
準優勝: ナカヤス・ヨシヒト / 74.00pt
第3位: カジワラ・レンヤ / 72.00pt
<ガールズハイ>
優勝: トダカ・チアキ / 75.67pt
準優勝: ホンムラ・カリン / 75.00pt
第3位: トダカ・アズサ / 74.00pt
<男子13-15>
優勝: ヒシカワ・タカトラ / 69.33pt
準優勝: カナモト・コタロウ / 66.00pt
第3位: モリモト・アシタ/ 65.67pt
<エキスパート>
優勝: イケダ・コウタ / 74.67pt
準優勝: ホンムラ・ライム / 71.00pt
第3位: ワタナベ・ソウタ / 70.67pt
<30オーバー>
優勝: ヨシムラ・トモアキ / 78.33pt
準優勝: マツモト・ヒロヤ / 77.67pt
第3位: フジイ・セイジ / 75.67pt
大会概要
⼤会名称 : 「マイナビ JapanCup 名古屋大会」(フラットランド第1戦)
開催期間 : 2023年5月6日(土)~7日(日)- 2日間 –
※詳細は公式HPをご覧ください。
大会会場:オアシス 21 銀河の広場(愛知県名古屋市東区東桜1丁目11-1)
主催: 一般社団法人 全日本フリースタイルBMX連盟(JFBF)
後援:一般社団法人 日本アーバンスポーツ支援協議会
特別協賛:株式会社マイナビ
協賛:鎌ケ谷巧業、モトクロスインターナショナル
出場カテゴリー:全10クラス(アマチュア含め)
男⼦エリート 15名・⼥⼦エリート 6名
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