高木豊の2023年プロ野球「助っ人診断」パ・リーグ編(セ・リーグ編:セ・リーグ助っ人25名を4段階で評価 DeNAバウア…
高木豊の2023年プロ野球「助っ人診断」
パ・リーグ編
(セ・リーグ編:セ・リーグ助っ人25名を4段階で評価 DeNAバウアーは期待大、「気の毒」「宝の持ち腐れ」な選手も>>)
シーズン序盤の時点での、高木豊氏による各チームの外国人選手の評価。セ・リーグ編に続き、パ・リーグ各チームの助っ人たちを【◎、〇、△、×】の4段階で評価してもらった。

高木氏が高く評価した、西武のマキノン(左)とオリックスのゴンザレス
※順番は昨シーズンの上位から。成績は5月8日時点。高木氏に取材した時点で一軍での出場がない選手、出場試合数が少ない選手は評価を省略。また、育成選手は評価の対象外。
◆オリックス【野手△/投手△】
「新加入の(マーウィン・)ゴンザレスは打率が高くないですが、印象に残るホームランも打っています。守備はファースト、セカンド、ショートと器用にこなしますし、使い勝手のいい選手。打撃の安定感が出てくるとよりいいと思います。同じ新加入の(フランク・)シュウィンデルは、打席数が増えてくればアジャストしていきそうです。パンチ力もありますね。
新加入の投手では(ジェラル・)コットンに注目しています。(4月25日の)日本ハム戦の、4回9奪三振には驚きました。今は中継ぎに入っていますけど、先発もできると思いますよ。ちょっと変わったチェンジアップを投げますし、面白いピッチャー。中嶋聡監督がどう起用していくのかが楽しみです。
やはり新加入の(ジェイコブ・)ニックスは、立ち上がりがよくない印象ですが真っ直ぐに力がありますし、投げていくごとによくなっていきそうな気はします。(ジェイコブ・)ワゲスパックの出来は物足りないですが、山﨑颯一郎もあまり状態がよくないので、調子を上げてもらいたいところ。奪三振率(13.50)が高いですし、ブルペンには欠かせない存在です」
<評価対象となった助っ人の成績>
(New/野)ゴンザレス 27試合 打率.227 4本塁打 10打点 出塁率.279 OPS.691
(New/野)シュウィンデル 13試合 打率.225 1本塁打 10打点 出塁率.220 OPS.570
(New/投)コットン 3試合 1勝0敗1ホールド0セーブ 防御率5.63
(New/投)ニックス 2試合 0勝1敗 防御率10.50 QS率0.0
(投)ワゲスパック 8試合 1勝2敗1ホールド1セーブ 防御率6.14
◆ソフトバンク【野手×/投手◎】
「野手は×です。(フレディ・)ガルビスは実力はあると思いますが、きっかけがないというか、春先はよくない助っ人が多いですね。1、2カ月試合に出てからガーッと調子を上げていくことも多いですが、起用されないことには何もよくなりませんし、つらい部分もありますね。
新加入の(ウィリアンズ・)アストゥディーヨは、コンタクト力やユーティリティー性が売りということでしたが、期待外れであまり使われていません。ソフトバンクも我慢して使い続ける余裕がないんでしょう。アストゥディーヨは練習の時から、バッティングの迫力だったり、首脳陣に『使ってみよう』と思わせる雰囲気を醸し出せていないんじゃないですかね。
投手は文句なしです。(リバン・)モイネロは防御率1点台ですし、(ロベルト・)オスナは無失点。オスナは制球力が抜群で崩れる気配がありません。連打するのは極めて難しいピッチャーだと思います」
<評価対象となった助っ人の成績>
(野)ガルビス 14試合 打率.192 0本塁打 1打点 出塁率.192 OPS.385
(New/野)アストゥディーヨ 10試合 打率.167 0本塁打 0打点 出塁率.231 OPS.439
(投)モイネロ 8試合 1勝0敗3ホールド1セーブ 防御率1.00
(投)オスナ 10試合 0勝0敗3ホールド6セーブ 防御率0.00
◆西武【野手〇/投手△】
「新加入の(デビッド・)マキノンは日本の野球に適していて、今後は打率が上がってくると思います。ホームランばかり狙うのではなく、右打ちなど『広角に打とう』という意図、つなぐ意識が垣間見えます。そのおかげで打線に切れ目がなくなった感じがしますし、15打点はよくやっていると思います。同じ新加入の(マーク・)ペイトンもつなぎの意識があったので、怪我をしてしまったのが残念です。このふたりは、西武にとって大きいですよ。
投手で新加入した(ヘスス・)ティノコは、ツーシームとスライダーがいいので、これからもっと安定していくんじゃないかと。(ディートリック・)エンスは昨シーズンふた桁勝ってくれたことを考えると、もう少し頑張ってほしいですね。"勝てるピッチング"はするのですが、バッターを圧倒するピッチャーではないので、試合の流れをつかむ上で援護点が必要です」
<評価対象となった助っ人の成績>
(New/野)マキノン 30試合 打率.241 4本塁打 15打点 出塁率.296 OPS.710
(New/野)ペイトン 19試合 打率.183 3本塁打 11打点 出塁率.224 OPS.562
(New/投)ティノコ 10試合 0勝1敗5ホールド0セーブ 防御率4.15
(投)エンス 5試合 1勝4敗 防御率3.75 QS率40.0
◆楽天【野手×/投手△】
「新加入の(マイケル・)フランコは、日本ハムとの開幕戦で猛打賞と活躍しましたが、それ以降はパッとしません。同試合で加藤貴之からレフトスタンドの上段にホームランを打った時は期待が高まったのですが......。長打力があるので慣れれば、とも思いますが、現状ではそれが表現できていない感じです。
宋家豪はWBCに台湾代表で出場して、オープン戦の途中からチームに合流した影響なのかもしれませんが、調子はいまひとつですね。出場選手登録を抹消されましたけど、楽天のブルペンには必要なピッチャーなので、調子を上げて戻ってきてもらいたいです」
<評価対象となった助っ人の成績>
(New/野)フランコ 26試合 打率.185 3本塁打 10打点 出塁率.292 OPS.597
(投)宋家豪 6試合 0勝0敗3ホールド0セーブ 防御率6.00
◆ロッテ【野手×/投手〇】
「昨シーズンに巨人でプレーしていた(グレゴリー・)ポランコは×です。リーグが変わったことで環境やピッチャーに慣れる時間が必要なのかと。守備についた時にはリスクがありますし、打率やホームランでもう少し期待があったと思いますが、裏切られている感じですね。
つないでいかなければ点が取れないロッテ打線で、ポランコのホームランや長打が生まれればいいのですが、ブレーキになっています。山口航輝が離脱中ですし、期待感は大きいと思うので頑張ってほしいです。
同じ元巨人の(C.C.)メルセデスは試合を作っていますね。山本由伸と投げ合った試合もあって勝ち星には恵まれていませんが、ローテーションピッチャーの役割は果たしてくれています。競り合いに弱いところはありますが、打線がもうちょっと点を取ってあげないと。
(ルイス・)ペルドモは安定しています。ツーシームとスライダーのコンビネーションもいいですが、チェンジアップが効いている。しっかりと低めに制球できていますし、長打を打たれる心配がない。すでにブルペンに欠かせない存在だと思います」
<評価対象となった助っ人の成績>
(野)ポランコ 23試合 打率.181 3本塁打 8打点 出塁率.272 OPS.605
(投)メルセデス 5試合 0勝3敗 防御率2.17 QS率40.0
(投)ペルドモ 14試合 0勝0敗12ホールド0セーブ 防御率2.63
◆日本ハム【野手〇/投手〇】
「(アリエル・)マルティネスは、DHやキャッチャーなどで使われていますが、バッティングの調子が少しずつ上向いてきた感があります。キャッチャーとしては(コリー・)メネズと組んでいいリードを見せている。6番を打つことが多いですが、しっかりはまってくれるといいですね。
(アリスメンディ・)アルカンタラは使ったら打てると思いますよ。起用される機会は少ないですが、その中でよくやっていると思いますし、日本のピッチャーにもだいぶ慣れてきている。ツボに入ると長打もありますし、得点力アップには欠かせない存在だと思います。
投げるほうでは、(ブライアン・)ロドリゲスがいいですね。昨シーズンは状態が悪くて夏場に一軍に上がりましたが、今シーズンは最初からフル回転の活躍が期待できます。メネズもいい。当初はリリーフで登板していましたが、ここ2試合は先発で投げて試合を作っています。びっくりするような球はないですが、ピッチングが丁寧ですね」
<評価対象となった助っ人の成績>
(野)マルティネス 23試合 打率.267 2本塁打 6打点 出塁率.366 OPS.783
(野)アルカンタラ 13試合 打率.244 2本塁打 6打点 出塁率.306 OPS.795
(投)ロドリゲス 13試合 0勝1敗6ホールド0セーブ 防御率1.64
(投)メネズ 10試合 0勝1敗 防御率2.37 QS率50.0
【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)
1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に解説したYouTubeチャンネルも人気を博している。