3戦3勝の加藤孝太郎に、ロッテのエースだった男が向ける視線 早大は6日、東京六大学春季リーグの法大1回戦に3-1で競り勝…

3戦3勝の加藤孝太郎に、ロッテのエースだった男が向ける視線

 早大は6日、東京六大学春季リーグの法大1回戦に3-1で競り勝ち、今季5戦5勝。先発の右腕・加藤孝太郎投手(4年)が8回途中まで5安打1失点に抑え、自身も3戦3勝となった。快進撃が止まらないが、現役時代にNPBやMLBで活躍した小宮山悟監督の目には、加藤の快投も決して満点とは映らなかったようで……。

 試合後に加藤、捕手の印出太一(3年)と並んで記者会見に臨んだ小宮山監督は「厳しい戦いになること予想していた中で、頑張ってくれた」とした上で、「点の取られ方がね、2アウトランナーなしで四球を与えてからという、最もやってはいけないパターンでしたから。そこは本人も今、大いに反省してくれているでしょうから、次の登板ではそういうことのないように、しっかりやってくれるでしょう」と語気を強めた。

 確かに、加藤は1点リードの4回、2死を取った後、相手の4番・内海貴斗内野手(4年)に四球を与え、続く内海壮太内野手(3年)、浦和博内野手(4年)に連打を浴びて、同点に追いつかれた。小宮山監督はこの日唯一の失点シーンに苦言を呈したわけだが、「そりゃ、そうでしょ。プロでやりたいとか言っちゃったんだから」と少しおどけたような口調で付け加えた。

 昨秋にリーグトップの防御率1.41をマークした加藤は、早大のエースナンバー「11」を託され、さらにプロ志望を明言して今季に臨んでいる。小宮山監督自身がレベルの高さを熟知しているプロ野球を志望するとなれば、ハードルはおのずと高くなる。早大での現役時代に通算20勝を挙げ、プロ入り後もロッテ、横浜(現DeNA)でNPB通算117勝、さらにMLBのメッツでも活躍した小宮山監督の言葉となれば、加藤も首を垂れるしかないだろう。

最速156キロの法大剛腕に投げ勝ち「評価してあげたい」部分も

 とは言え、この日は最速156キロの豪速球で押す法大先発・篠木健太郎投手(3年)の向こうを張り、140キロ台のストレートに変化球をまじえながら、丁寧に低めをついて“粘投”した。6回の攻撃で印出の勝ち越しソロが飛び出し、加藤は2点リードの8回、2死から3番・今泉颯太内野手(4年)に四球を与えたところで、107球で降板した。最終的に7回2失点の篠木に投げ勝った。加藤は「何が何でも抑えるつもりで、初回から飛ばしました。最後は途中降板になりましたが、最低限(試合を)つくれたので良かったです」とうなずいた。

 小宮山監督も、苦言を呈しただけではない。「相手(篠木)のボールを見たら、勝ち目はないと思っただろうけれど、その中でも試合に勝つピッチングができました。そこは評価してあげたい」と称えた。

 6日現在、リーグの個人打率ランキングの1位から4位までを独占中の野手陣が打棒を振い、勝ちっぱなしの早大。小宮山監督は「選手たちは1試合1試合、自信をつけているでしょう。このままの雰囲気で突っ走れればいいが、相手の投手がどんどん良くなってくるので、なかなか点を取れなくなる。そこで、どれだけやれるか」と手綱を締めるが、対戦カードの1戦目に先発し必ず勝ってくれているエースの存在は、何より頼もしい。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)