守護神・山崎が1点リードの9回に登板も長岡に痛恨のサヨナラ2ランを浴びる DeNAは5日、神宮球場で行われたヤクルト戦に…
守護神・山崎が1点リードの9回に登板も長岡に痛恨のサヨナラ2ランを浴びる
DeNAは5日、神宮球場で行われたヤクルト戦に9-10で敗れ、連勝が2でストップした。1点リードの9回に守護神・山崎康晃投手が痛恨のサヨナラ2ランを浴び力尽きた。最大5点のリードをひっくり返された一戦を、野球評論家の新井宏昌氏は「この1敗でチームがどうこうはない。ただ、気になるのは守護神の状態」と分析している。
まさかの敗戦だった。1点を追う3回に佐野の3号ソロとソトの1号2ランで逆転に成功。さらに4回、佐野が2打席連発となる4号3ラン、7回には京田に移籍後1号となるソロ、牧にも4号ソロとヤクルトの投手陣に計5本塁打を浴びせた。だが、5点リードで迎えた8回に一挙4失点して1点差に迫られると、最後は山崎が長岡に痛恨のサヨナラ2ランを浴びた。
両チーム計11本塁打の乱打戦。新井氏は原因を「そこまで広くない神宮に、風もあった。今永、高橋(奎二)の好左腕の投げ合いからは想像できない展開。本塁打が出だすとなかなか、止まらない球場で典型的な試合となった」とみている。
5点リードと楽な場面で8回に登板したエスコバーも誤算だった。内野安打と四球で、1死も奪うことなく降板したのも流れが変わるきっかけとなった。さらに新井氏は「少し心配なのは山崎」と、早くも3敗目を喫した守護神の名前を挙げる。
昨季は56試合で3敗、今季は15試合目で早くも昨季の負け数に並ぶ
1点リードの9回にマウンドに上がった右腕は、先頭のサンタナをスプリットで空振り三振に仕留めるなど簡単に2死を奪った。だが、オスナに直球を弾き返され左前打を浴びると、続く長岡には甘く入ったスプリットを右翼席に運ばれた。
「スプリットのキレは悪くなかったが、少しでも甘く入ると長打を浴びる危険性もある。オスナにはスプリット2球で追い込みながら、最後は直球を選択しヒットを浴びた。これで、よりバッテリーはスプリットを選択してしまう。多投されるスプリットは打者側にしてみれば、目が慣れると見極めやすい。配球も絞りやすくなる」
山崎はルーキーだった2015年から抑えを任され、ここまで通算216セーブと実績、経験は十分。昨年は56試合に登板し0勝2敗37セーブ、防御率1.33の好成績をマークした。ところが今季は15試合に登板し、早くも昨年の負け数を超える3敗目を喫するなど、防御率5.93と苦しんでいる。
チームは開幕3連敗から立ち直り、4日の広島戦に勝って12球団最速の貯金「10」を記録するなど快進撃を続けている。「サイ・ヤング賞の実績があるバウアーも加わり、投打のバランスもいい。これまで僅差のゲームも勝ち切っている。山崎が本来の姿を取り戻すことができれば、より安心したゲーム展開になってくる」と、新井氏は守護神の復調に期待を込めていた。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)