今週は東京競馬場でNHKマイルC(芝1600m)が行われる。かつては「マル外のダービー」と称されたレース。現在は3歳春のマイル王決定戦の舞台として行われるだけでなく、今後の短距離路線を占ううえで重要な意味を持つ一戦となっている。

過去10年のデータ分析から浮かび上がったキーワードをもとに出走馬を分析していく。ここでは「プラスデータ」としてドルチェモアを取り上げる。

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■直線の長いコースは2戦2勝

GI馬の称号を引っ提げて臨んだ前走ニュージーランドT。結果は逃げる形での7着とまさかの敗戦を喫した。あのメンバーであれば最低でも掲示板内を確保してほしかったのが本音だが、一変を予感させる以下データを発見した。

・阪神芝1600mの2歳GI勝ち馬の成績【2.1.1.0】

メジャーエンブレムやアドマイヤマーズ、レシステンシアなどが該当。2歳マイル王者はいまだ馬券外なしと抜群の安定感を誇っている。

これまでの成績を振り返ると、直線の長い東京・阪神マイルでは2戦2勝。自身の上がり3F33秒台のサウジアラビアRCにハイペースを先行押し切りの朝日杯フューチュリティSとレースの幅が広い点は高く評価できる。悲願のJRA・GI制覇がかかる三浦皇成を背に、2歳王者が復権をはたすシーンは想定すべきだ。

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▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「2023NHKマイルC-データ分析編」

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家 競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。