イギリス・イーストボーンで開催されている「AEGON国際」(ATP250/6月26日~7月1日/賞金総額63万5660ユーロ/グラスコート)で、今年最初のグラスコートでの試合に勝ったあと、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は自分が4度目のウ…

 イギリス・イーストボーンで開催されている「AEGON国際」(ATP250/6月26日~7月1日/賞金総額63万5660ユーロ/グラスコート)で、今年最初のグラスコートでの試合に勝ったあと、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は自分が4度目のウィンブルドン・タイトルを獲得する可能性について、あえて控えめな姿勢をとった。

 ジョコビッチは、雨のため前日から持ち越された2回戦でバセック・ポスピショル(カナダ)を6-4 6-3で倒し、準々決勝に駒を進めた。彼はそこでドナルド・ヤング(アメリカ)と対戦することになる。

 第1シードのジョコビッチは、大きな問題もなく85分で勝利をおさめたこの試合で、ポスピショルのサービスを各セットで1度ずつブレークした。しかしこの勝利も、元ナンバーワンの男を、自分がウィンブルドンの優勝候補の一角だと信じさせるに十分ではなかったようだ。

 前年に獲得したすべてのグランドスラム・タイトルの防衛にしくじったここ12ヵ月というもの、プレーの調子が不安定だったジョコビッチは、「少し解放された気分だ」と言った。

「僕は幸運にも、ここ8、9年、多くの成功をおさめ、ほとんどの大会に最大の優勝候補のひとりとして臨むことができた。だからたまには優勝候補の一角でないというのはよいことだよ。ちょっぴりプレッシャーが軽減されるからね」

 世界ランキング4位にもかかわらず、ジョコビッチは、ここ数年のウィンブルドンでのよい成績を考慮され、オールイングランド・クラブによって第2シードを与えられた。彼はそこで2011、2014、2015年に優勝していた。

「それ(シードが高いという事実)が助けになるかならないか、今のところは何とも言えないよ」とジョコビッチは言った。

 この日の対ポスピショル戦は、ジョコビッチにとって3週間前に起きた、全仏オープン準々決勝でのドミニク・ティーム(オーストリア)に対するストレート負け以来の試合だった。彼はイーストボーンの主催者からワイルドカード(主催者推薦枠)を取得し、2010年以来初めて、全仏とウィンブルドンの間に大会に出場することを決めた。

 雨に見舞われた火曜日に、わずか13ポイントしかプレーできなかったジョコビッチは、この日、1-0リードから試合を再開し、1度もサービスゲームを落とさなかった。

「これが僕にとって今季初のグラスコートでの大会だったことを考慮すれば、コート上でかなりいい感じを覚えていた」とジョコビッチ。「僕は今日、グラスコートに適したテニスをする相手と対戦した。彼はサービスがよく、ネットに出てくるし、技に多彩さを持つ。これは非常に堅固な勝利だったよ」。

 先週のクイーンズ・クラブでの「AEGON選手権」でも準々決勝に進んでいたヤングは、この日、ジャレッド・ドナルドソン(アメリカ)を6-4 7-5で下して勝ち上がった。

 なおイーストボーンはこの日も雨に見舞われ、予定された2回戦の多くが中断され、順延となっている。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はウィンブルドン前哨戦の「AEGON国際」で今季初のグラスコートの試合に勝利したノバク・ジョコビッチ(セルビア)

Photo: EASTBOURNE, ENGLAND - JUNE 28: Novak Djovokic of Serbia celebrates his victory over Vasek Pospisil of Canada during Day 4 of the Aegon International Eastbourne tournament at Devonshire Park on June 28, 2017 in Eastbourne, England. (Photo by Mike Hewitt/Getty Images)