28日の日本ハム戦、序盤から動きまくった試合に決着をつけたのはソフトバンクのデスパイネの一発だった。5-5の同点で迎えた8回に、超弾丸ライナーでホームランテラスに運ぶ19号の勝ち越しソロ。お立ち台では「一発で勝って笑顔で帰ろうと思っていた」…

28日の日本ハム戦、序盤から動きまくった試合に決着をつけたのはソフトバンクのデスパイネの一発だった。5-5の同点で迎えた8回に、超弾丸ライナーでホームランテラスに運ぶ19号の勝ち越しソロ。お立ち台では「一発で勝って笑顔で帰ろうと思っていた」と満面の笑顔を見せた。

■終盤8回に衝撃の一発「フェン直かと思ったら、そのまま行っちゃった」

 28日の日本ハム戦、序盤から動きまくった試合に決着をつけたのはソフトバンクのデスパイネの一発だった。5-5の同点で迎えた8回に、超弾丸ライナーでホームランテラスに運ぶ19号の勝ち越しソロ。お立ち台では「一発で勝って笑顔で帰ろうと思っていた」と満面の笑顔を見せた。

 点を取っても追いつかれる苦しい展開。5回裏に今宮健太の勝ち越し弾が出ても、勝ちパターンの岩嵜翔が8回に同点打を許した。延長突入も見えてきた8回裏、先頭で打席に立ったデスパイネが、日本ハムの4番手・マーティンの4球目を振り抜くと、打球は低い弾道で左中間方向にグングンと伸びていき、ホームランテラスに着弾した。工藤公康監督も「すんごいライナーだったね。フェン直かと思ったら、そのまま行っちゃったね」とただただ驚嘆するばかりだった。

「でかいのを一発打ちたかったのでまっすぐしか待っていなかった。完璧な当たりだったけど、ライナーだったので入るかどうか微妙で、ある程度全力で走ったよ」

 右足の肉離れで一時チームを離脱し、スタメンに戻ってきたのは前日27日から。「2週間離れていたので、コンパクトに打って自分の感覚を取り戻すことを心がけていた」というデスパイネは、スタメン復帰2日目で大仕事をやってのけた。試合数的にちょうどシーズンの折り返し。シーズン前半を振り返って「数字としては満足とはいえない」という。

■自分の痛みよりチームの勝利、「休むのが大嫌いだから」と復帰アピール

「1日1日が勝負なので、まずは15日間(チームを)離れていた分を取り戻したいという気持ちでやっている。自分のことだけでなく、チームの勝利に貢献することが第一なので、それを優先的に考えてやっているよ」

 負傷した右足はまだ万全とはいえない。それでもデスパイネは「休むことが大嫌いだから」と、指揮官に1軍復帰をアピールした。

「少々痛くても試合に出るという強い心をもってやっているし、チームが自分のことを必要としてくれるのはわかっているので、とにかく力になろうという気持ちだけ」

 本塁打、打点とも自身の来日最多記録を塗り替えるのは時間の問題だろう。この男が帰ってきたホークスは、やっぱり強い。

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura