3年目を迎えた日本発、世界初のダンスリーグ「Dリーグ」は23日、サードシーズンのラストセットとなるチャンピオンシップを開催した。この日も、会場の有明アリーナはほぼ満席、コロナ規制の緩和を受け、マスク越しであれば声援もOKとなり、大きなうねり…
3年目を迎えた日本発、世界初のダンスリーグ「Dリーグ」は23日、サードシーズンのラストセットとなるチャンピオンシップを開催した。
この日も、会場の有明アリーナはほぼ満席、コロナ規制の緩和を受け、マスク越しであれば声援もOKとなり、大きなうねりを感じさせる観客の熱い想いがアリーナ全体を包み込むなか、全12チームから勝ち残った6チームによる頂上決戦が繰り広げられた。
レギュラーシーズンとは異なり、各対戦から勝ち残る形式のトーナメント制で行われたチャンピオンシップ。さっそく第一戦から振り返ってみたい。
◆サードシーズンを制したCyberAgent Legitが圧巻のナンバーを披露 ラウンド12 前編
■激戦となったトーナメントバトル
1stTRIAL MATCH:FULLCAST RAISERZ vs. SEGA SAMMY LUX
いずれも風格を漂わせる2チームの闘い。
先攻は自らの存在と証明「I am who I am」をテーマに、シンプルな衣装と共に、力強さとしなやかさが際立つナンバーでまさに存在感をしっかりと打ち出すナンバーを届けたレイザーズ。それぞれの魂の叫びが聞こえてくるような迫力ある仕上がりで会場を包み込んだ。
対する後攻は声援から人気の高さが伺えるセガサミールクス。登場から歌舞伎の見得を切り、衣装もしっかりと歌舞伎調、顔も白塗りとしたうえで屏風を効果的に使い、エンタメ度の高いつかみで始まった舞台は大いに会場を湧かせた。が、結果は惜しくも7-5で生の迫力を届けたレイザーズが勝ち、駒を進めた。
2ndTRIAL MATCH:LIFULL ALT-RHYTHM vs. KADOKAWA DREAMS
先攻は毎回独自の存在感が光るアルトリズム。立体的なフォーメーションから始まり、白と黒のつなぎで装飾を抑えた衣装ながら、尺八を思わせる和風の音色に乗せ、力強く降る腕の動きが印象的なワックを打ち出し、アルトリズムらしい通好みで個性的な作品が展開された。
後攻はトレードマークのブルージャケットで登場したカドカワドリームズ。ジャケットを脱ぎ捨てた後は、シャンパンゴールドの衣装となり、ブロンズ像を連想させる凝った立体的なフォーメーションからスタート。ドラマティックな曲調でスピードに乗り、目の覚めるような革新的なヒップホップを届けてくれた。
結果は0-12でカドカワドリームズが圧勝。セカンドセミファイナルへと勝ち進んだ。
1stSEMI FINAL MATCH :FULLCAST RAISERZ vs. CyberAgent Legit
先攻のレイザーズはバレリーナの大久保沙耶をSPダンサーに迎えた、荒ぶる男達とトウシューズという異色の組み合わせ。この新たな科学反応を見せんとする試みのテーマは「Revolution」。ピアノ曲と男気のクランプでバレリーナの可憐さを盛り立てるといういつもとはまた違ったレイザーズの一面が見られるナンバーとなっていた。
対するのはレギュラーシーズン・ウィナーのレジット。テーマは岩のように守り、火のように相手を倒す意の「ROCK&FIRE」。
まさに炎のように真っ赤な光る衣装で筋肉の躍動が伝わってくるような緩急に溢れた真にダンサブルなロッキンとブレイキンを掛け合わせた秀逸なナンバーが届けられた。結果、3-9でレジットに軍配があがった。
◆【後編】22-23シーズン最後のチャンピオンシップは初出場のカドカワ・ドリームズが初優勝
◆ラウンド11 Cyber Agent Legitがレギュラー・シーズンを制すが来たるチャンピオンシップを勝ち取るのは… 前編
◆うまいだけでは勝てない、ますます総合芸術の色合いを強めるDリーガーたち
著者プロフィール
Naomi Ogawa Ross●クリエイティブ・ディレクター、ライター
『CREA Traveller』『週刊文春』のファッション&ライフスタイル・ディレクター、『文學界』の文藝編集者など、長年多岐に亘る雑誌メディア業に従事。宮古島ハイビスカス産業や再生可能エネルギー業界のクリエイティブ・ディレクターとしても活躍中。齢3歳で、松竹で歌舞伎プロデューサーをしていた亡父の導きのもと尾上流家元に日舞を習い始めた時からサルサに嵌る現在まで、心の本業はダンサー。