2020年に引退した上本博紀氏…今年から阪神Womenの監督を務める 結成3年目を迎えた女子硬式野球チーム「阪神タイガー…

2020年に引退した上本博紀氏…今年から阪神Womenの監督を務める

 結成3年目を迎えた女子硬式野球チーム「阪神タイガースWomen」を、今年から指揮するのが球団OBの上本博紀氏だ。昨年までは小学生チーム「タイガースジュニア」の監督を務め、今季から女子の指揮官に転身した元阪神の人気選手は、女子野球には多くの魅力が詰まっていると実感している。

 上本氏は2008年ドラフト3位で阪神に入団し、2014年に選手会長に就任。身長172センチと小柄ながら、パンチ力を生かした打撃と堅実な守備で通算698試合に出場し、“いぶし銀”の働きでチームを支えた。2020年に引退後は野球振興のため設立されたタイガースアカデミーのコーチに就任するなど、子どもたちに野球の魅力を伝えてきた。

 そして、今年から女子選手を指導。「現役時代は始球式などで見る機会はありましたが、監督の立場になり実際に練習を見ると、レベルは高い。男女で体力の違いはありますが、女子野球にしかない魅力もたくさんあります」と明かす。

 女子野球は金属バットを使用し、ボールは男子と同じ硬式球。既に練習試合などを行っているが、戦術やプレーなどで男子との違いを実感している。

驚かされた執念「看板を背負っている自覚を感じる」

「臨機応変に対応しなければならないプレーが多いです。一番はライトゴロがある。(二塁から)ヒット1本で生還することは難しい。私が持っている野球観は変えないといけません。そのあたりは選手の方が知っているので彼女たちに聞きながら勉強しています」

 選手を預かるうえで最も注意しているのが怪我。男子と比較して体格や筋力は劣るだけに、過度の練習は大怪我に繋がってしまう危険性がある。それでも、選手たちの野球への“執念”は想像以上だといい「無理をしてしまう子がたくさんいます。こちらがストップをかけないといけないぐらい。でも、タイガースの看板を背負っている自覚を感じますね」と語る。

 上本氏は取材中に何度も“怪我”という言葉を口にした。それは自身が現役時代に度重なる怪我に悩まされたことも要因の一つだ。「言い訳にしたくはありませんが、私もたくさん怪我をして満足いくプレーができないことがあった。彼女たちには怪我で野球を諦めるようなことはしてほしくない」。

 今後は「全国大会2冠」を目標に、女子野球の発展を手助けしていく。「女子野球にはたくさんの魅力が詰まっています。それをグラウンドで発揮させるのが私の仕事。多くの女子選手が目指す場所になればいいですね」と意気込んだ。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)