初回に適時二塁打の牧「本当に情けない打撃をしていた」 3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では侍ジャ…
初回に適時二塁打の牧「本当に情けない打撃をしていた」
3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では侍ジャパンが3大会ぶりの優勝を成し遂げ日本中を沸かせたが、直後の公式戦開幕以降、なかなか調子が上がらない“侍組”の選手も目立つ。25日に横浜スタジアムで行われたDeNA-ヤクルトの首位攻防戦では、ヤクルト・村上宗隆内野手が3打数無安打2三振1四球に終わり、今季打率が.167に下降。DeNA・牧秀悟内野手も試合前の時点で.215と振るわなかったが、こちらは今季18試合目にして初の適時打を放つなど4打数2安打。復調のきっかけとなるか。
DeNAは初回1死一、三塁の好機に、4番の牧がヤクルト先発サイスニード投手が投じた真ん中のカットボールを一閃。打球は右中間フェンスを直撃して先制適時二塁打となり、チームも最終的に5-3で勝利を収めた。牧は試合前の時点で、今季5打点の内訳が2ラン2発と押し出し四球で、タイムリーなし。持ち前の勝負強さが影をひそめていた。「本当に情けない打撃をしていたので、犠牲フライでもいいくらいの気持ちでした」と胸をなでおろした。
試合前には早出練習に参加。「バットが振れていなかったですし、(フォームの)バランスも悪かったのですが、打撃を見直せたと思います。いろんな選手に『(今の自分は)どんな形になっていますか?』と聞きました。琢朗さん(石井琢朗チーフ打撃コーチ)からは『もう心配することはない。自分らしく』と声をかけてもらいました」と明かした。
WBCではスタメン3試合、代打3試合、決勝は欠場
開幕直前にWBCの激戦をくぐり抜けた影響も、不振の原因なのだろうか? 石井コーチは、もしそれがあるとすれば「疲労よりも、練習不足ではないか。(WBCで)ずっと試合に出ていれば、また別だったかもしれないけれど……」と見る。
WBCでは極度の重圧を受け、相手投手の特徴もNPBとは大きく異なる。しかも大会期間中、確保できる練習時間は非常に少ない。NPBの投手を想定してキャンプ、オープン戦と段階を踏んで開幕へ近づいていく例年とは、あまりにも環境が違う。さらに牧の場合、WBC7試合のうち、スタメンが3試合、代打での出場が3試合で、決勝は欠場。出場のしかたがまちまちで、試合勘自体が養いにくい状況だった。
この日、5回の打席では、ハーフスイングで止めたバットにボールが当たって一、二塁間を抜け、「あんなことは初めてです」と言う幸運なヒットとなった。この試合がきっかけになれば何よりだ。
一方、WBC全試合に先発フル出場し、4番もしくは5番を張った村上の不振は、さらに深刻に見える。同じヤクルトの山田哲人内野手、WBCで右手小指を骨折した西武・源田壮亮内野手、山川穂高内野手は、現在戦列を離れている。山川は開幕直後、「例年の開幕戦は吐き気を催すほど緊張するのに、今年は変に冷静過ぎる自分を感じています」とかつてなかった感覚に戸惑い、その後ふくらはぎの張りを訴えて、今月10日に出場選手登録を抹消された。
あのWBCの激戦を経て、さらに直後の公式戦開幕からロケットスタートを切るなどという芸当は、そうそうできるものではないだろう。心身の疲労も当然あるはず。シーズンは長い。徐々に本領を発揮すれば、まだまだ十分間に合うと考えてもいいのではないだろうか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)