JBCFローシリーズの最高峰、Jプロツアー第4戦となる「第1回袋井・掛川ロードレースDAY2」が3月26日、前日開催されたDAY1と同じ、静岡県袋井市の「小笠山総合運動公園エコパ」に設営された1周6kmのコースで開催された。DAY2は距離も…

JBCFローシリーズの最高峰、Jプロツアー第4戦となる「第1回袋井・掛川ロードレースDAY2」が3月26日、前日開催されたDAY1と同じ、静岡県袋井市の「小笠山総合運動公園エコパ」に設営された1周6kmのコースで開催された。

DAY2は距離も倍以上となる22周132kmの設定。コースはヘアピンカーブや連続するコーナーが多く含まれ、そのたびに集団は減速と加速を強いられ、体力を奪われていくテクニカルなコース。道幅も狭く、集団の後方にいるほど、この振れ幅が大きくなるため、前方の位置を確保することも重要だ。距離が倍になったことで、さらにチームとしての戦略が重要になることだろう。



コースにはヘアピンコーナーやカーブが多く含まれる(JBCF公式サイトより)

雨は前日から降り続き、気温も変わらず14度と低い。強い風も吹き付け、この日も前日と同様に厳しいコンディションの中でのレースとなった。
個人総合首位の岡本隼(愛三工業レーシングチーム)を含む愛三工業レーシングチームがエントリーせず、リーダー不在のレースとなった。U23首位を守る津田悠義(キナンレーシングチーム)は、ホワイトジャージで前列に並ぶ。スタート時には雨は本降りになり、タフなレースになることを予想させた。



強く降りつける雨の中、レースが始まった



エコパスタジアム前を抜けていく

レースはスタート直後から動いた。リアルスタートが切られたすぐ後に入部正太朗(シマノレーシング)がアタック。これをきっかけに9名が先行した。この中に天野壮悠(以上シマノレーシング)が加わり、シマノレーシングから2名が入り、有利な展開に。他のメンバーには、前年度覇者の小林海(マトリックスパワータグ)、前日レースを制した今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)、実力者の新城雄大(キナンレーシングチーム)ら、有力なメンバーが顔を揃えた。



入部正太朗(シマノレーシング)のアタックを契機に9名の先頭集団が作られた

順調に周回を回っていたが、5周目、パンクのため新城が遅れてメイン集団に戻り、先頭集団は8名となる。
メイン集団はシマノレーシングがコントロールに入っていたが、先頭集団とのタイム差が2分まで開いてしまい、これを危惧したキナンレーシングチームとチームブリヂストンサイクリングが6周目に先頭に立ち、コントロールを始めた。2チームがメイン集団を代わる代わる牽引し、引き上げて、差は40秒にまで縮まった。



キナンレーシングチームとチームブリヂストンサイクリングが集団のコントロールを始め、ペースアップを図る



強い雨の中、走り続ける集団

先頭に、前日の勝者である今村を送り込んでいるチームブリヂストンサイクリングには、積極的に先頭集団を吸収する理由はなく、ここでコントロールから手を引いた。先頭集団にメンバーを送り込めていないキナンレーシングチームが単独で引き上げを図るものの、じわじわ差が開き、ギャップは1分20秒前後までに広がった。他チームも協力を始めるが、うまく差が詰まらない。



キナンレーシングチームが単独で集団のコントロールをする態勢に

終盤に入り、先頭集団から2名が遅れて6名となるものの、メイン集団との差は縮まらないまま。勝負は6名に絞られた。

※レースも残り5周!優勝争いを制したのは……!?
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残り5周となる18周目。先頭集団から入部が単独で飛び出し、30秒差をつけて先行する。
今村、小林、五十嵐洸太(弱虫ペダルサイクリングチーム)、さらに天野を加えた4名が追走を始めた。



入部がアタック。先頭集団から抜け出した



全力で先行する入部を追う4名

果敢に逃げた入部だが、最終周回に入る直前に捕らえられ、5名の集団に。



入部が吸収され、5名で最終周回に突入する

残り3kmを切ると牽制が始まり、一気にペースが落ちる。メイン集団もここで差を詰め、後方に迫ってきた。



先頭では、けん制が始まり、ペースも一気に落ちた

5名はお互いを見合い、誰も抜け出せないまま、最後はスプリント勝負へ託されることになった。先に仕掛けたのは入部。だが、これを今村がかわして力強いスプリントで先着し、前日に続き2連勝を決めた。
入部が2位となり、3位には小林が入った。メイン集団からの追走は20秒を切るところまで迫っていた。



今村がすばらしいスプリントで入部をかわし、連勝を飾った

連勝を飾った今村は、「昨日と同じように、前へと展開して、逃げに乗っていけばと考えていた」と語る。終盤の展開で、アタックをした入部のペースがかなり速く、4人で追いつくのにかなり脚力を使ってしまったとのこと。「『最後のコーナーに先頭に入れれば(いける)』と思ってはいたが、(実際に)スプリントで勝ててよかった」と笑顔で振り返った。タフな2レースを制したことが、今後目指すものへの手応えになったようだ。



表彰台で健闘を称え合い、笑顔を見せる今村、入部、小林



リーダージャージを獲得した今村とU23首位を守った津田悠義(キナンレーシングチーム)

連勝を飾った今村が個人総合首位の座につき、プロリーダージャージを獲得。U23の首位のホワイトジャージは津田が守った。
次のレースは4月16日の西日本ロードクラシック。欠場した岡本と、今村とのポイント差はなく、3位の津田とも169ポイント差。結果次第で首位の座はまた入れ替わるだろう。これからのジャージの行方に注目だ。

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【結果】
第1回JBCF袋井・掛川ロードレースDAY2 132km

1位/今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)3時間21分41秒
2位/入部正太郎(シマノレーシング)+0秒
3位/小林海(マトリックスパワータグ)+0秒
4位/五十嵐洸太(弱虫ペダルサイクリングチーム)+2秒
5位/天野壮悠(シマノレーシング)+7秒

【Jプロツアーリーダー】
今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)

【U23リーダー】
津田悠義(キナンレーシングチーム)

画像提供:JBCF(一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟)

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