■ファントムシーフ
【中間調整】新馬戦、野路菊Sと正攻法でデビューから2連勝。完成度は世代トップクラスと言っていい。ゆえに続くGI・ホープフルSでは2番人気に推されたが、最内1番枠から出遅れ。レースはスローの団子状態で窮屈な競馬を強いられることとなり、ドゥラエレーデら前々で運んだ組を捕えられずの4着に終わっている。その後、中5週で挑んだ共同通信杯では五分のスタートから番手で運び、直線でそつなく抜け出し重賞初制覇を果たした。その後は近年の黄金ローテとも言える皐月賞直行へ。
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3月7日に放牧先のチャンピオンヒルズから栗東へ戻り、じっくりと状態を確認されたのち15日の初時計でさっそくCW3頭併せ。2頭に遅れ入線だったが余裕はたっぷりで、優等生に敢えて抜かれる感覚を与えることで反撃への闘志を掻き立てるという意図があるのかも。その後もCW3頭併せを丹念にこなし、実戦感覚をじっくり涵養している。1週前追い切りはC.ルメール騎手が騎乗し、稽古駆けする2頭を追走する意欲的なCW3頭併せ。外を回して結局ゴール板では2頭に届かずの入線だったが、時計そのものは5F65秒1(一杯)と自己ベスト。息切れした感はなくゴール板後にも勢いよく伸びていたあたりも含め単に「併せ馬で遅れた」という字面以上の評価をしていい内容だっただろう。
【最終追い切り】レース当週の調教にもC.ルメール騎手が騎乗し、CWで併せ馬。輸送を控えており序盤はリズム重視に徹し、コーナーワークで先行相手にピタッと取り付いていく。そこからいい集中力を保って加速。相手も稽古駆けする馬(アーリントンC出走のシルヴァーデューク)で、鋭い脚で反撃してきたが、ファントムシーフは貫禄たっぷりのブレのないフォームのまま対応し、最後はクビほど抜け出した。道中の折り合いは抜群で、精神的にかなりいい状況のよう。
【見解】脚力、センスともにかなりいいものを持っているが、“できる子”なあまり稽古では気を抜くような面も。そのあたり、競走馬としてもうワンランク上を目指すべく、併せ馬で追いつけないレベルのキツいメニューを与えているのかも。芝GI出走馬の調教欄で「遅れ」がこれだけ目立つのも珍しいが、そういう意図があると考えれば納得もできる。単純な時計や鞍上との意思疎通ぶりは申し分ないし、持てる力をフルに出せそうだ。
総合評価「A」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター 競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。
■皐月賞2023 調教動画(ファントムシーフ)























